くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「心の日月」「舞妓物語」

kurawan2015-08-13

「心の日月」
軽いタッチのすれ違いドラマで、たわいのない作品なのですが、所々に挿入されるちょっとしたシーンが、結構おしゃれで楽しい作品でした。

何と言っても、主演の若尾文子が抜群にキュートで可愛らしいのです。
監督は木村恵吾です。

岡山から東京へ、恋人を辿って主人公麗子が家出して汽車に乗っているシーンから映画が始まります。そこで、気のいいママと知り合う。

東京で恋人に電話をし、飯田橋駅で待ち合わせるも、出口が二つあることをお互い知らず、会えずじまいとなったところからすれ違いドラマがスタート。

あとは、タイミングの悪さで、すれ違いが繰り返され、お互いに、別の人から心を寄せられるも、もう一度飯田橋駅で待ち合わせるという計らいをしてもらってハッピーエンド。

所々に挿入される周りの人のたわいない台詞や、ちょっとしたお遊び的な言葉が実に軽妙で、今ではこの手の脚本をかける人はいないほどに秀逸。

決して、傑作の類ではないものの、テンポ良い展開で退屈せず、最後まで楽しめる映画でした。


「舞妓物語」
オーソドックスな悲恋ドラマですが、時代でしょうか、それなりにハッピーエンドで幕を閉じる純愛ドラマに仕上がっています。

母が病に倒れたということで、東京で音楽学校に通っていた主人公が京都に戻ってくるところから映画が始まる。

帰りの電車で知り合った病院の若先生と懇ろになり、一方で、母の病気から、音楽学校を諦めて舞妓となる主人公の切ない苦労話ストーリーが展開。

借金を返すために、舞妓で身を立て、やがて後ろ盾を迎えざるを得なくなる主人公だが、若先生への思いを断ち切れず自殺未遂をする。

一命をとりとめた主人公は、周りの援助で、無事若先生との恋を成就させてエンディング。

監督は安田公義であるが、特に際立った出来栄えの作品でもない。普通の物語というべきですが、古い封建主義から徐々に抜け出そうとする日本の姿。自己主張ができるようになってきた当時の女性たちの考え方の変化を叙述に描いている作品でもあり、その意味で観た甲斐のある一本でした。

舞妓姿の若尾文子がとにかく愛らしい映画でした。