くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「テッド2」「しあわせへのまわり道」

kurawan2015-08-28

「テッド2」
楽しい映画です。ただ、第1作は、ぬいぐるみが喋るというファンタジックな設定と、そのキャラクターがやたら下品というギャップの面白さで楽しめる作品でしたが、今回は、正当なストーリーなので、その意味では、ちょっと迫力不足だったかもしれません。

要するにアメリカンギャグというのは、私としてはあまりのめり込むほど面白さを感じないということなのでしょう。とはいっても、テディベアのぬいぐるみが、愛嬌いっぱいに連発する下品な下ネタの数々は今回も大爆発で楽しめました。

まず、冒頭のタイトルバックのレビューのようなミュージカルシーンが楽しい。ストーリーは、テッドの結婚式に始まる。そして1年後、早くも夫婦仲がギクシャクして、それを解決するために子供を作ることを考えるが、ダメで、養子をもらう手続きをしたために、今更ながら、テッドの人間性が問題になり、裁判になるというのが、今回の物語の中心だが、そこに、テッドを誘拐しておもちゃ屋に売り込もうとしたドリーが登場する。

ちょっと、エピソードを詰め込みすぎた感があり、リーアム・ニーソンのお遊びシーンは面白いのですが、ストーリーが正当すぎて、その中に散りばめた小ネタがどれも、不完全燃焼したような気がします。ちょっと、ストレートな単純な面白さにかけてしまった感じです。

とはいっても、気楽に楽しめる娯楽映画の要素は十分だし、個人的には第1作より楽しめたかんじですね。


「しあわせへのまわり道」
大人のラブストーリーとして楽しめた一本でした。全体が大人のドラマになっているのが好感で、これという派手さはないけれど、ゆっくりとストーリーに引き込まれる魅力のある映画でした。監督はイザベル・コイシェである。

いきなり、道の脇に止まったタクシーに一人の男が飛び乗ってきて映画が始まる。続いて一人の女も乗り込み痴話喧嘩を始めるが、どうやら男である夫が浮気をして、女である妻と別れ話をしたようで、逆上した妻といいあらそになった。

妻の名はウェンディ、乗ったタクシーはインドからやってきたダルワーンという男の車で、この二人の物語が本編である。

ダルワーンは路上運転講習を指導していて、夫と別れ、免許もなかったウェンディの講師となることになる。

一方、ダルワーンは母国から許婚を迎え結婚をする。

ウェンディとダルワーンのどことない心の惹かれあいが描かれる一方、アメリカに来て引きこもってしまったダルワーンの妻の話もさりげなく入ってくる後半がどんどんこの作品をよくしていく。

やがて、別居のどん底の気持ちから立ち直り、前向きになるウェンディ。アメリカに友達もできて、明るくなってくるダルワーンの妻。そして、ウェンディは免許を取得、ダルワーンとの最後の日に、ダルワーンはウェンディをお茶に誘うが、ウェンディは「あなたは誠実な人。あなたは私の光よ」と何気なくたしなめる。
このシーンが実に大人なのです。

そして、自宅に帰ったダルワーンは妻の横で優しい言葉をかける。

真っ赤な車を買って颯爽と走るウェンディのカットでエンディングだが、みんな前向きに進んでいくラストシーンが素敵なのです。

小品ではありますが、とっても魅力のある、成熟した一本だったと思います。いい映画を見たなぁ。