くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「サバイバー」「ダイバージェントNEO」「ピッチ・パーフェ

kurawan2015-10-23

「サバイバー」
小品ながら、結構楽しめるアクション映画でした。よくある展開ですが、無駄なく突っ走る面白さで、最後まで飽きさせない。監督はジェームズ・マクティーグである。

アフガン戦争でアメリカのヘリが撃墜され、二人の兵士が捉えられるところから映画が始まりタイトル。

ロンドンのアメリカ大使館に、生え抜きの外交官ケイトが赴任してくる。彼女は対テロ組織阻止のために特別に大使から召喚された人物で、その道のプロフェッショナルである。早速、怪しい男を発見したケイトは、その資料調査を始めるが、イギリス内務省を始め、上層部から妨害がかかる。

しかし彼女は自分の勘を信じ、証拠をつかむべく奔走するが、テロを目論む組織は、暗殺のプロ時計屋をケイト殺害に差し向ける。最初の爆弾ですんでのところで助かったけいとは、時計屋から逃げながら、そしてイギリス政府も敵に回しながら、テロ組織の本当の目的、ニューヨークでの大規模テロ計画を見つけ阻止するために戦う。

とにかく、面倒なドラマを完全に排除し、ひたすらケイトの逃げる姿と、それを追う時計屋の不気味さ、迫り来るテロ計画実行のカウントダウンと、どんどん、物語が先に進んでいく。もちろんハッピーエンドなのだが、彼女を信じる大使館メンバーサムと、情報収集のサリーのキャラクターも生きているし、時計屋を演じたピアース・プロスナンもなかなか堂に入っている。

ほとんど格闘の素人のはずのケイトが、巧みに敵を欺いて、目的に進む姿が小気味良く、周りの脇役の顔立ち、存在感もさらりと描写してくどくない。結果、ストーリーがわかりやすく整理されて、見やすくなった。軽く楽しめる一品でした。


「ダイバージェントNEO」
前作もつまらない映画だったが、今回、その後半部分、つまりクライマックスなので、もうチョット面白いかと思ったが、やはり、つまらなかった。原作のライトノベルが弱いのだろう、SFとしてのセオリーが理解されていないのか、CG頼みの映画で、主演のトリスを演じる小太りのシャイリーン・ウッドリーが今ひとつ魅力がないので、映画を牽引できない。監督はロベルト・シュベンケである。

人類存亡のために5つの集団に分けて統治された近未来、その謎解き、200年続いたこの世界の未来を語る今回の後半部分、例によって、これという展開もなく、ただ殴り合いだけの連続のストーリーから、完璧な異端者(ダイバージェント)が立ち向かう5つの実験による謎の箱の開封、そして、現代の世界の謎が明かされるのだが、なんとその謎はフェンスの向こうは他にも人類がいますよという内容ってどうよ。

人類を存続させるために5つに分けていたというが、ではフェンスの外の世界はどうしていたの?こういう結論になるなら、異端者が現れるのを待つ必要がある?というか、異端者でない人は片端ものなの?このまま全員解放しても大丈夫なの?矛盾だらけのセオリーで作られた原作が、さらに映像になって陳腐になってしまった感じ。

クライマックスの特撮CGも今では目新しくもない。ならば、映像演出やストーリーテリングのうまさで見せなかれば、埋もれてしまう作品になる。というかそういう映画になっていた。だから前作も物語を覚えていないのである。まぁ、フリーパスだったからいいとするかな。


ピッチ・パーフェクト2」
アナ・ケンドリクスを見たいだけで見に行ったのですが、いやぁ、今度のはめちゃくちゃ楽しかったし、面白かった。テンポが抜群にいいし、それぞれのキャラクターがいい味を出していて、最高。監督は今回はエリザベス・バンクスになって、良かったのかもしれない。

映画は、アカペラ三年連続王者のべラーズが大統領の前にしての舞台で大失態、解散の危機に瀕するが、世界大会で優勝したら許してあげるというのが物語。でも、世界大会を目指してのスポ根ドラマではなく、あくまで軽快に女子トークとMCの毒舌満載のハイテンポなストーリーが展開、とにかくキャストみんながニコニコして生き生きしている画面が楽しい。

恋もあり、失敗もあり、悪ノリもあるのですが、そんな俗っぽさを吹っ飛ばすバイタリティあふれる画面に最後まで圧倒され、笑いが絶えない。さらに、今のメンバーが今回で卒業、未来をつなぐ新メンバーとして、ヘイリー・スタインフェルドが参加、若さとキュートさでストーリーを引き立たせる。

ラストは、世界大会の会場で大観衆でライバルを圧倒、見事優勝して、最後のエピローグで新メンバーに鍵を引き継いでエンディング。

もう楽しいの一言。先日の「マジック・マイクXXL」の単調さとは全然違う出来栄えでした。面白かった!