くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「花嫁人形」「牡蠣の王女」「NOISE」

kurawan2015-11-30

「花嫁人形」
1919年のサイレント映画なのですが、とにかくテンポが良くて、出だしからエンディングまで突っ走っていく感じで、退屈しない。

花嫁人形だと思っている主人公と、実は人間なのだが、人形のふりをするヒロイン。絶妙の掛け合いに、周りの人たちとの絡みが入ってきて、ポンポンと物語が進んでいく様は絶妙。

時折挿入される舞台装置のような書き割りの鳥や、林のセット、自由自在に入れてくるコミカルなシーンなど、どの一部を取っても無駄なくお話を盛り上げてくれる。

本当の才能のなせる一本だなと納得しました。エルンスト・ルビッチ恐るべしかも。


「牡蠣の王女」
大金持ちの娘が、結婚相手を探すドタバタ劇を、テンポ良い展開で見せるエルンスト・ルビッチ監督のコメディの傑作。こちらも、無駄のないストーリー展開と、ノリで突っ走る面白さが絶妙で、間というものがないのかというくらい楽しい。

大げさに描かれる金持ちの屋敷や執事たち。皮肉にも見えるシーンもふんだんに笑いに変え、次々と飛びだすエピソードに翻弄されていく。

何がなにかわからないほど、笑いのセンスが見事なもので、サイレント映画なのですが、バックの曲に映像が飛び跳ねる感じです。

お話自体はたわいのないものですが、映像センスの面白さで、画面に釘付けにしますね。面白かった。


「NOISE」
オリビエ・アサイヤス監督が、アートロックフェスティバルを演出した、ドキュメンタリーである。
これという話はなく、ただ、舞台のシーンが続く。特に変わった映像演出があるわけではないが、やはりオリビエ・アサイヤスの画面だと思う。
ステージの合間合間にオーバーラップで重ねた映像を挿入する画面は、やはりアサイヤスである。

でも、ドキュメンタリーを見ない私には2時間は長かった。オリビエ・アサイヤスでなければ見ない一本。