くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「orange オレンジ」「創造と神秘のサグラダ・ファミ

kurawan2015-12-15

「orange オレンジ」
宣伝を見た感じでは、ちょっとキュンとくるラブストーリーかと思って見に行ったけれど、映画としては本当に凡作。物語が薄っぺらいのは原作があるから仕方ないのですが、それを映像にするにあたり、いや脚本に焼き直すあたりで、もっと作り方というのがある。そこが、脚本家や監督の才能の見せ所なのだが、その片鱗も伺えないのはちょっと残念。監督は橋本光二郎

物語は、主人公高宮菜穂のカバンに、いつの間にか入っていた10年後の自分からの手紙。そこには、間も無くクラスメートになる成瀬翔を救って欲しいという内容がかかれていた。

ファンタジックなオープニングなのですが、何の工夫もなく、菜穂のつぶやきで物語が進んでいく。もちろん、手紙の内容が現実になり、そして、手紙の最後に書かれている10年後に翔が死んで、この世にいないという悲劇を回避するために奔走しだす下りは、物語として常道とはいえ面白い。そして、友達を巻き込みながら、未来を変えるべく行動しようとする菜穂。ところがこれがいけない。どうにも積極性にメリハリがないので、つぶやきと行動がほとんど同レベルの展開になる。

だから、変わっていくという感動が見えない。途中で先輩女子とのトラブルなどありきたりの無駄なエピソードも挟まれ、さらに10年後の菜穂たちの姿を交互に入れ、後半へなだれ込むまでに、かなりワンパターンになってしまうのが、後半の展開をも潰してしまった。

実は手紙は菜穂の未来の夫の須和にも届いているという後半部。そして、友達全員で翔を助ける展開へ行くのだが、感動がどんどん盛り上がるべきが、翔役の山崎賢人の存在感のキャラクターが弱く、土屋太鳳も、しつこいほどに内気なキャラの徹底が結局、原作の弱さがそのまま映画の欠点になってしまった感じ。つまり演出が良くないのである。

未来が手紙と少しづつ変わり、翔が死なないでハッピーエンド?かもしれない別のパラレルワールドができてエンディング。

だらだら退屈はしないのですが、それは、あれ?また次のエピソード?と、とめどなく流れる展開に翻弄された感じの結果かもしれない。損をしたとは思わないレベルですが、見なくてもよかったかなという映画でした。


「創造と神秘のサグラダ・ファミリア
約10年後の完成を目指す、バルセロナ世界遺産サグラダ・ファミリアを描いたドキュメンタリーである。本来、ドキュメンタリーは見ないのですが、人生最後に、このサグラダ・ファミリアを見に行くつもりをしているので、その下知識のため見に行きました。

映画は、普通のドキュメンタリーで、特に変わったものもなく、普通に捉えていく。その意味では物足りなかった。もう少し建物内部の、外観の全景を見たかったのですが、巨大というのもあり、難しかったのでしょうか。

しかし、終盤で捉えた内部の巨大な空洞や彫刻、ステンドグラスはさすがに圧巻。ぜひ見て見たいという衝動に駆られました。