くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「虹蛇と眠る女」「シェル・コレクター」

kurawan2016-03-03

「虹蛇と眠る女」
ニコール・キッドマンが母国オーストラリアで撮った作品なのだが、いかんせん退屈な映画だった。ちょっと異国の雰囲気が漂うのですが、どういう方向に行くのかわからないままに、ひたすら子供を探す両親が狂気に変わっていく様が描かれるだけ。監督はマディソン・ブラウン。

オーストラリアに引っ越してきたキャサリンとマシュー夫婦。親に反抗するだけのいかにも反抗期の娘リリーと弟のトム。とにかく憎たらしくなるほど好き勝手をするリリーに手を焼く両親の場面から物語は幕をあける。

町に砂嵐がくるという予報の前日、深夜にトムは外に出かける。夜、歩き回る癖があるのだ。その後をリリーが追う。リリーは昼は男友達と自堕落な毎日を送っている。父は二人が出かけるのを見ているのだが、どこか憎たらしさが表に出て、放っておいた。

ところが嵐が襲ってくる日、いつまでも帰らないトムとリリーをキャサリンが探すが一向に見つからない。やがて、嵐が過ぎ去った後も戻らず、警察に届けるのだが、次第にキャサリンとマシューは狂気のようになっていく。町中の人々も捜索をするが見つからず、リリーが残した絵日記なども見つかるも、このどこか意味ありげな日記も映画にあまりスパイスにならず、どんどん狂気がキャサリンたちを覆っていく。

かつてリリーに手を出した教師のところに押しかけたり、リリーが付き合っていたらしい近所の男を殴るマシュー。そんなある日、マシューは偶然、倒れているトムを発見、しかしトムはなかなか話さない。やっとリリーが車に乗って消えたことを話す。キャサリンも狂ったように探し、とうとう気が触れたように全裸で街を彷徨う。

結局、映画はリリーが行方不明のままエンディングを迎えるのだが、どうも、オーストラリアの虹蛇の伝説のようなものが絡んでいるかに描かれているのだが、夫婦の狂気しか見えない。キャサリンは感情が高ぶるとやたら夫にSEXを求めたり、どうにもひとつひとつのエピソードが際立たないし絡んでいかないし、方向が見えないのだ。しかも、広大な大地や砂漠、自然の描写もイマイチ冴えない。結局退屈なまま終わったという作品でした。


シェル・コレクター
とにかく、観念的すぎて、眠かった。今日見た二本ともが眠いのは辛いです。いかにも美しいですよと言わんばかりの沖縄の景色から幕を開け、目の見えない主人公の教授が貝を採集している。綺麗な映像と言っても所詮デジタルの世界に近く、特に深みがない。

世間では謎の奇病が流行っているらしく、どこかSFっぽい背景も伺われるのだが、海の底に座っている教授のショットなど、いかにも観念的である。監督は坪田義史。

ある朝、一人の女性が打ち上げられていてどうやら奇病を苦に死のうとしたのか逃げようとしたのか。ところが、教授が猛毒の貝の毒を与えたら、なぜか快復。その噂で人々が集まってくる上に、息子の光が帰ってきたりする。

さらに橋本愛扮する鳶子がやってくるあたりは、実は眠くて展開がよくわかっていない。

クライマックス、光は貝の毒に刺されて死に、月が爆発したかの映像と海が満ちてきて、教授の住んでいるシェルターが海に流され、たどり着いた島で鳶子と二人歩く場面でエンディング。

なんとも言えない映画といえばそういう一本。どこがつまらないのかと書きようもない一本だったのはとにかく残念。橋本愛が出ているのも忘れていたくらい。まぁ、こういう映画もあるのです。