くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「地獄の黙示録」(デジタルリマスター版)

kurawan2016-05-11

地獄の黙示録」(デジタルリマスター版)
ほぼ40年ぶりに見直したが、改めて、この映画の凄さを目の当たりにする。これほどの作品を作れる監督は、少なくとも今のアメリカにはいないだろいと思える。その意味で、フランシス・フォード・コッポラは偉大である。

大作が大作らしく見せる演出、感性で描く映像ながら、見せるべき娯楽はしっかりと画面に作り出す才能は半端ではないと思う。

時はベトナム戦争真っ只中、主人公ウィラード大尉の顔のアップが半分の画面に、もう半分にゆっくりと舞うヘリコプターの映像がかぶる。やがて彼に命令が下る。ベトナムのジャングルの奥地、カンボジアに一人の男が神として君臨し、狂ったような行動をしているから抹殺して欲しいという。彼の名はカーツ大佐。エリート軍人で、末はトップになるであろうほどの軍歴をもち、非の打ち所のない英雄であるはずなのに、彼に何が起こったのか。

ウィラードは、カーツの資料を読み解きながら、ベトナムのジャングルを進むうちに、カーツが狂気に変わっていく理由が次第に見えてくるのである。戦争を遊びのように扱い、殺すことが娯楽になり、人間が人間でない状況。そこはまさに地獄の世界なのだ。

やがて、カーツと出会い、会話を交わした後、目的を果たすウィラード大尉。カーツを取り巻いていた人間たちが次々と武器を捨て、ウィラードに道を開けるラストシーンは圧巻。ウィラードとカーツとの会話シーンがかなりしんどくて、ここで一気に眠くなる。確か、マーロン・ブランドの場面は別途とったために出来上がった映像だった気がする。

それでも、このラストはすごい。確かにすごい、圧倒的にすごい映画だと私は改めて思いました。