くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ホーンテッド・キャンパス」「フラワーショー!」

kurawan2016-07-06

ホーンテッド・キャンパス
脚本がひどいとここまでだれるかという典型的な映画。これで、役者がしっかりしていたり、演出がそれなりなら、もう少し面白い映像が見られるのだろうが、それも普通なので、学芸会のような映画になっていた。日本ホラー小説大賞の読者賞という原作からどんな話かと思っていた程度の期待度。

映画は、大学の入試発表のシーン、一人の女子高生が、屋上に上って行って自殺するまでお延々とカメラが追う。というか今時ドローン撮影か?

そして物語は主人公で霊が見える森司の登校シーンに始まり、憧れのこよみと再開し、オカルト研究会に入るところから本編へ。しかし、最初に描く少女の赤ちゃんの話というエピソードがやたら長くて、肝心の本筋の降霊会の流れが実に適当に見える。

実はこのみという少女は死んでいて、森司にしか見えなかったというオチでもあるのかと思えば、それもない普通の展開。しかもこよみを演じた島崎遥香も大した演技でなくて棒読み状態。まぁ、クオリティを期待する映画ではないのはあきらめていたが、ここまでてきとうだと、いくら、中山優馬のファン狙いでも、観客をバカにしすぎだなと思うし、中山優馬にとってもマイナスにしかならないと思うがどうだろうか?

まぁ、時間つぶしにもならなかったと言える一本で残念すぎる映画だった。


「フラワーショウ!」
まとまりのない映画である。確かに、原題と日本語題名がかなり違うようなのはわかるが、お話があちこちに飛びすぎ、どれも同じウェイトで描かれ、何気ないエピソードもとってつけたように取り上げられていて、どうにも、くどすぎる映画でした。監督はヴィヴィアン・デ・コルシィです。

主人公メアリーの少女時代から映画が始まる。ハイスピード映像を何度も挿入し、空を流れる雲や太陽の光を仰々しく演出する。自然と触れ合うことが大好きなメアリーはアイルランドに住んでいる。庭園デザイナーとして仕事にありついた有名事務所で、がむしゃらに働くが、代表のシャーロットにこき使われ、体良くデザインを盗まれ、とうとうクビになる。このくだりが少し雑い。

そこで、彼女はチェルシー・フラワーショーで金メダルを取ることを目標にする。しかし、なんとか応募し、選考されたものの、資金とサポーターが必要で四苦八苦し始める。雑草を中心にした自然の庭園を目指す彼女の考えに同意した庭師たちを従え、やがて、彼女に援助する人も現れるが、庭園作りのサポーターとしてのクリスティの心が動かない。彼はエチオピアで砂漠の緑化に力を注いでいるのだ。この、クリスティのエピソードのくだりが、メアリーのくだりとほぼ同程度に描かれるので、一体何を言いたいのかと思い始める。

結局、クリスティも参加することになり、チェルシー・フラワーショーで金メダルを取るのがクライマックスになるのだが、途中、彼女のデザイン帳を盗んだシャーロットが、デザイン帳をさりげなく返すくだりなど、別に今更いいだろうというシーンも見受けられ、全体が散漫になってしまうのです。

テクニカルな映像を駆使した演出は、時には効果的なのですが、妙にしつこいし、背後の音楽もかえって作品の質を下げている。作り方によればとっても爽やかな一本に仕上がったろうにと思えるのですが、実話という縛りと、おそらく監督の目指す意図が、中心の人間ドラマとは違うところにあったという感じですね。まぁ、普通の作品でした。