くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「暗殺」「人生は狂詩曲(ラプソディ)「ロスト・バケーショ

kurawan2016-07-25

「暗殺」
噂通り、かなり面白かった。成功している韓国アクション映画の典型で、丁寧に組み立てられた伏線とキレのいい展開はなかなかのものです。ただ、少し、盛り込みすぎているところがあり、終盤がしつこいために眠くなってしまったのが残念。監督はチェ・ドンフンである。

物語は世界大戦前夜、日本による朝鮮半島の統治が進む中、朝鮮独立を計画する臨時政府は、アン・オギュンらの暗殺集団3人を上海に召集。しかし臨時政府の警務隊長ヨム・ソクチンは日本政府の密偵という顔も持ち、「ハワイ・ピストル」という暗殺団を雇い入れ、先ほど呼んだ集団殺害を依頼する。

狙う日本人軍人川口のフィアンセとアンが双子の姉妹だったり、フィアンセの父親が、冷酷にも自分の野望のためには妻も娘を殺すくだりなど、日本人を悪逆非道に描いている。

とはいえ、入りみだれる人物関係に、暗殺集団同士の恋や友情、人情物語も絡んで、なかなか見所満載の映画である。

アクションシーンは韓国映画らしい展開でスピーディで迫力もあり、絡む物語との構成の面白さは後半ようやくのめり込んだとはいえ楽しかった。娯楽映画としては良くできていたと思います。


「人生は狂詩曲(ラプソディ)」
ミュージカル仕立てというのは知らなかったし、曲はなかなかいいのですが、全体に流れるベルギーの中の人種確執や登場人物の小物さ、さらにストーリー展開の破茶滅茶感が最後までしつこくて、まいった。監督はフィンセント・バル。

ある演奏会のシーン。フランドル地方の楽団とワロン地方の楽団の吹奏楽団同士の演奏から映画が幕をあける。ワロン地方のソロリストが天才的にうまく、それに負けずと頑張ったフランドル地方の楽団のソロリストが演奏直後、死んでしまう。

そこで、ワロン地方のソロリストをスカウトする話になり、マネージャーの女性が近づいて、スカウト成功するが、そこで恋が生まれたり、マネージャーのフィアンセの実業家の息子が嫉妬して、資金を引き上げたりと、とにかく次々と展開が入れ替わり立ち替わり進んでいく。

結局、みんな仲良くハッピーエンドになるのだが、どうにも、うまくいかない感じの映画である。ベルギー国内の複雑事情が鼻に付くほどに見え隠れするのが気になる映画でした。でも曲は良かったです。


「ロスト・バケーション」
久しぶりのサメ映画という一本。なんの芸もない普通のパニック系映画でした。監督はジャウム・コレット=セラです。

一人の少年が浜辺でウェラブルカメラのついたヘルメットを拾うところから映画が始まる。カットが変わり、一人旅でサーフィンに来たナンシーが地元の人に穴場のビーチに連れて行かれる。

しばらくサーフィンを楽しんだが、最後にもう一度と波を待っていて、クジラの死骸と遭遇、しかもそばにサメがきていた。

こうして、わずかな面積の岩礁に避難したナンシーのサバイバル物語がスタート。一人のサーファーがサメにやられ、その男がつけていたウェラブルカメラをひろい、助けを録画して海に投げる。当てにしていなかったが、実は冒頭で少年が拾うカメラがそれ。

とはいえ、ブイに逃げたナンシーに襲いかかるサメ。ちょっとした機転で、ブイをつないでいるイカリを食べさせてサメをやっつける。もうびっくりである。

カメラを見つけた少年が父を呼んできてハッピーエンド。B級映画というテイストの一本でした。