くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「叛乱」

kurawan2016-09-07

「叛乱」
2.26事件を扱ったサスペンス映画である。緊迫感のある導入部だが、そこから回想に入り、終盤あたりになると、やや間延びが見られる。それでも、しっかりした役者たちの迫真の演技はさすがに見応えがあった。監督は佐分利信であるが、途中で病に倒れたので阿部豊が残りを仕上げている一本である。

映画は2.26事件の裁判シーンに始まる。 画面手前に首謀者たちがドンと立ち、その隙間に兵士が見えるという驚くようなカメラアングルにまず圧倒される。

そして彼らが牢屋に入るところから物語は回想形式で、2.26事件が起こるに至る経緯とその行動前夜から行動日、そして逮捕されるまでが描かれていく。

最初は時折牢屋の場面が挿入されるが、次第に事件シーンが中心になり、最後は彼らが処刑されていく場面でエンディングとなる。

重厚な菊島隆三の脚本は見事であるが、やはり途中で抜けた佐分利信の影響か、どこか演出スタイルが、後半気力にかけてしまうのはちょっと残念である。監督としても評価の高い佐分利信だけに、最後まで演出したものが見れたならと思う。とは言っても、クオリティは決して低くないし、見応え十分な一本であったことも確かです。