「乱気流野郎(クレージーの花嫁と七人の仲間)」
いらいらするほどまどろこしい物語だが、これが時代色というやつでしょうね。たわいのない作品ですが、ほのぼのした当時の日本が垣間見られる作品でした。監督は番匠義彰です。
東京の老舗の寿司屋を舞台に、ベテランの職人と若女将、人気芸者やテレビ局の駆け出しキャスターなどが織りなす人情ドラマです。
詐欺を働く悪者の不動産屋が登場することで物語は若干動きますが、それも可愛らしいほどの小悪人。何とも言えない空気のままにラストシーンはそれなりにまとまってハッピーエンド。
眼を背けるほどな悪人も出てこず、誰もかれもが根はいい人という構図が、まさに昭和の世界観ですね。平成は、バブルというのがあったために人は根は悪人という構図が出来上がってしまった気がします。
こういうほのぼのした映画は、ある意味甘ったるく感じられるのですが、こういう人情の世界にもう一度戻らなければいけないんじゃないかと思います。