くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ミューズ・アカデミー」

kurawan2017-03-06

「ミューズ・アカデミー」
ドキュメンタリーなのですが、不思議な面白さがある映画でした。しかも映像が美しい。ガラス越しやガラスに反射する景色や人物、それにかぶる風景が目を見張る映像になる。監督はホセ・ルイス・ゲリンです。

バルセロナ大学のピント教授が生徒たちの前で、ミューズ理論を熱く語る講義のシーン、そして大学の外で、様々な女性と繰り返す議論から、どこか危険な空気への展開。ガラス越しに映る人物のカットがみずみずしいほどに美しく、ドキュメンタリーであることを忘れてしまう。

ミューズ理論は結局欲望の裏返しであるかの学生の意見、そして、教授の妻が夫の不倫を違い始め、夫との口論、さらには夫の教え子の学生たちとの激論の場面が描かれて行く。果たしてこれはドキュメンタリー?そんな疑問を抱きながら映像を見ていると、やがてラストシーン、妻のカット、様々な女学生のカットがポンポンと映されて映画が終わる。

これはドキュメンタリーというより普通のドラマだなと感じてしまいます。その意味で、ドキュメンタリーを見ない私も満足の行くラストでした。良かったです。