くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「PARKS パークス」「人生タクシー」

kurawan2017-05-10

「PARKS パークス」
橋本愛を見に行っただけの映画なので、構わないのですが、なんともしつこい映画でした。吉祥寺の音楽フェスティバルが終わってからの展開がこれでもかというほどにくどいし、どこへもっていきたいのかが全く見えなくて、ただラストが見えないままにダラダラと映される。ただ、画面いっぱいに繰り返し映る橋本愛を見ていればいいという感じでした。監督は瀬田なつきです。

井の頭公園のそばで暮らす大学生の純。ある日ベランダから外を見ていると、一人の少女が見上げている。彼女の名はハル、父のかつての恋人の写真を持って公園を回っているうちに写真と同じ場面に遭遇したのだ。ここまでの流れはそれなりに工夫されていて面白い。冒頭の颯爽と走る純の姿と公園の紹介が実に良い。

そして、恋人が住んでいたと思われる家を訪ね、そこで孫の時生と出会う。しかし、その恋人は亡くなっていた。

時生はその亡くなった祖母の遺品を整理していて、オープンリールテープを見つける。そこには祖母と恋人が歌った歌が収められていたが、途中で途切れてしまう。そこで、純たちはその続きを作り吉祥寺音楽フェスティバルに出ることにする。

ここまでは優れているとは言えないが、まぁまぁロマンティックで楽しいのだが、フェスティバルの後、ハルが純の家を出て、その後の過去と現代が交錯するようになってきたあたりからが若干混乱してきて収拾がつかなくなり、しかもしつこいほどに物語が繰り返される。

結局、ハルが小説にしていたという展開がこれまでの伏線があったとは言えかなり唐突にエンディングに結びつけることになり、冒頭のシーンにつながってエンディング。完全に橋本愛の映画だった。


「人生タクシー」
タクシーの中にフィックスで据え付けられたカメラで撮ったドキュメンタリータッチのドラマで、正直、退屈でした。でもベルリン映画祭で金熊賞を取っています。監督はイランの巨匠ジャファル・パナヒです。

一台のタクシーがイランの街を走っている。中に何人かの乗客が乗っていて順番に降りて行ってはまた次の客が乗る。ダッシュボードにつけられたカメラが、その客の様子を捉えていくというドキュメンタリーのような映像が延々と続く。

ラストはカメラからメモリーが取り外され真っ暗になってエンディング。ただそれだけの映画で、こういう作り方もあるのかと思う一本。確かに、映画的な画面作りを意識したところもないわけではないし、ただの素人映画には見えませんが、訴えるべき何かが今ひとつわかりにくいのはイランという国が分かっていないからでしょうね。