くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「マイティー・ソー バトルロイヤル」「軽蔑」

kurawan2017-11-08

「マイティー・ソー バトルロイヤル」
このシリーズはなんのことはない。ただ何にも考えずに派手な特撮を見て入ればいいのですが、それもだんだん安易になってきて、いったい、これほどお金をつぎ込む値打ちがあるのかと思ってしまう。監督はタイカ・ワイティティです。

ソーのふるさとアスガルドにソーの姉で死の女神と異名のあるめっちゃ強いヘラがやってきて、アスガルド崩壊の危機に陥る。ニューヨークから謎の惑星に飛ばされ、訳のわからないバトルロイヤルに参加させられたソーは、そこでハルクと再会、ヴァルキリーの戦士、さらにロキとも出会って、アスガルドの危機を救うべく戻ってくる。

あとは、ひたすらCG満載のバトルシーンで、今更なんの変わりばえもない展開と映像でエンディング。

この手のシリーズの定番になったエピローグのお遊びもあって終わる。もう、これ以上書きようがないですね。


「軽蔑」(ジャン=リュック・ゴダール監督版)
ターコイズブルーと赤、そして黄色を基調にした画面作り、そして即興に近い演出でどんどん撮っていくカメラワークの斬新さはまさにゴダールの世界。その面白さを堪能することができるラブストーリーの秀作。ブリジッド・バルドーの裸体がなんとも美しい映画だった。

劇作家のポールは大作映画の手直しを依頼される。脚本家でもない彼だが、引き受けるかどうか悩むのだが、そんな彼を妻のカミーユは次第に軽蔑していく。
それは倦怠期に差し掛かりつつある夫婦の自然な流れが、たまたま脚本修正の仕事に絡んできただけかもしれなかった。

映画はポールとカミーユが裸でベッドにいるシーンから映画が始まる。独特の赤い照明を使用したオープニングがまずゴダールらしい。

抑えた色の赤、ブルー、黄色の様々なオブシェや服装の配色の中で、ポールとカミーユの会話、プロデューサーとの会話などが展開していく。

カメラは実に自然そのままに彼らの姿を捉えて行き、その素朴さと自然さのリズムの中、ポールとカミーユの間に深まっていく溝が描かれる様がなんとも切ない。

やがてカミーユはポールの言われるままにロケ地から一人男性に送られて旅立つが、その車は事故を起こし二人とも死んでしまう。一人、ポールはロケ地で撮影隊に挨拶をして映画が終わる。

この独特の退廃感こそがゴダールの世界観だと思うし、こだわりの色彩とカメラワークが独特のリズムを全体に作り出していく。決してゴダールのファンではないが、この映画は好きです。