くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「南瓜とマヨネーズ」「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」

kurawan2017-11-13

南瓜とマヨネーズ
ちょっとした自主映画の秀作レベルの一品で、原作がいいのかもしれないがドラマとして人間がしっかりと映し出されている。その充実感と独特の空気感は評価していい一本でした。あとは好みの問題ですね。監督は冨永昌敬

主人公ツチダはミュージシャンを目指すうだつの上がらない彼氏せいいちと暮らしている。うだうだと夢ばかり語り仕事もせずツチヤの世話にだけなる男の姿は今更目新しくもない。ただこの映画のよさはツチヤがキャバクラで知り合った中年男の愛人まがいの仕事を始めたりしたのを知ったせいいちが自立へ進むところからである。

一方ツチヤはかつて熱を上げたハギオと再会、熱を上げて行くが、さりげなく距離を置いたハギオの描き方が実にうまい。

やがて、せいいちはツチヤから離れていき、一方,かつてのバンド仲間とライブを開くようになったツチヤの元にせいいちが遊びに来る。そしてさりげなく二人で暮らした過去を思い出してツチヤが涙し、そして、二人は別れて行く。

たわいないラストシーンが実にしっくり、そしてしんみりくる。うざい展開やうざいキャラクターがくどくど出てこないところがどこか爽やかささえ感じる映画だった。個人的には好みではないけど、見て損はなかった気がします。


ロダン カミーユと永遠のアトリエ
近代彫刻の父オーギュスト・ロダンの半生を描いたものですが、淡々とただ彼の姿を捉えて行くだけがなんともしんどい映画だった。途中何度か眠気を催してしまいました。監督はジャック・ドワイヨンです。

1880年ロダンが「地獄の門」の制作を始めたところから映画が始まります。あとは彼の女遍歴を中心に展開していきますが、人間ドラマとしての視点ではなく、と言って彼の芸術家としての感性を描いたわけでもなく、と言って作品への造詣を描いたわけでもない。とにかく、淡々と進むのです。

カミーユ・クローデルとの出会い、そして愛人関係になるのですが、その辺りも、やたら女と寝るので薄められてしまっている。

結局、日本の副題が無意味な話でではないかと思えるような作品でした。