くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「KUBO クボ 二本の弦の秘密」「笑う故郷」

kurawan2017-11-24

KUBO クボ 二本の弦の秘密
美しい。ストップモーションアニメでここまで変化に富む映像が作れるというすごさに感動してしまいます。しかも舞台は中世の日本というからまた興味を惹かれてしまう。これもアニメの形なのでしょう。楽しみました。若干ストーリーテリングが弱いのですが、それを脇のしても一級品の一本だったと思います。監督はトラビス・ナイト。アニメーションスタジオライカの作品です。

嵐の海を船で乗り越えている女性。三味線を鳴らすと海が割れ突き進むが、やがて波に飲まれる。そしてたどり着いた海岸で一人の少年クボを抱き上げて映画が始まる。

少年クボが三味線を持って街頭でパフォーマンスを始める。折り紙の侍が起き上がり、様々なものが折り紙から生まれる。それに合わせて様々な物語を語るが、夕暮れになると突然やめていずこかへ去る。

クボが帰ると、母親が待っている。いつも夜までには帰るように言われていたクボだが、村祭りを見たくて日が沈んでも帰らなかった。すると邪悪な叔母がクボを襲う。すんでのところで命をかけた母に救われ、母の言い残した三種の武具を求め、自らの出生の秘密を探るべく旅に出る。

途中でクワガタの侍に出会い、猿の人形は母の命を宿して生き返り、クボに寄り添って冒険が始まる。

三味線を鳴らすと折り紙が動き出すという不思議な力が見せ場として何度も登場し、邪悪な二人の叔母との戦いが展開して行く。そして、最後の最後、クボの片目を奪った祖父が表れ最後の対決となる。とにかく絵が美しいのと、ストップアニメのファンタジックな動きが素晴らしい。

最後はハッピーエンドだが、芸術的な一本といえる作品でした。


笑う故郷
なるほど、ちょっと面白い映画に出会ったという感じです。最初はどうなることかと思い、途中からだんだん嫌悪感が目立ってきて、終盤、あれ?何か違うと感じて、ラストなぁるほどと終わった。やるじゃないのという一本でした。監督はガストン・ドゥプラット

ノーベル賞の授賞式の会場、主人公ダニエルが文学賞を受賞したシーンに始まる。そして五年後、彼は故郷のサラサへ帰ってくる。乗った車乗った車が故障したりパンクしたりでようやく村までたどり着いたのだが、仰々しいほどの出迎えやパレードにうんざり、さらに講演スケジュールにうんざりしてくる。

ホテルに帰れば、若い女が訪ねてきて、一夜を共にして、友人に招かれていってみると、さっきの女は友人の娘だったり。絵画のコンクールの審査員になって、次々と落選させたら、落選された人間から逆恨みで恨まれたり、さらに講演の最中に本を中傷して乗り込んでくる連中がいたりと散々。

しかし、そんなこんなをさりげなくやり過ごして行くのだが、どんどん彼の周りの雲行きが怪しくなってくる。

友人の妻の勧めで一日早くホテルを引き上げ帰ろうとしたら、男たちが迎えにきてその車に乗ると、なにやら夜の草むらに連れていかれ降ろされ、猟銃で撃たれて死んでしまう。

と、カットが変わると、新しい本の発表の記者会見にいるダニエル。これまでの話は本の中の物語だったというエンディング。なるほどそうかと納得して映画が終わる。面白いやないか。そんな一本。