くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「女賭博師みだれ壺」「女賭博師さいころ化粧」「いそぎんち

kurawan2017-11-28

「女賭博師みだれ壺」
このシリーズはなんか癖になりますね。設定も役者もほとんど変わらないけど毎回別物の話ですが、賭場のシーンだけがさりげなく手を変え品を変えている。主人公江波杏子のクールな仕草に引き込まれました。監督は田中重雄。

主人公銀子が日本一の賭博師に負けるところから映画が始まり、一年後の大賭場に向けて修行の旅に出る。

例によって覇権争いと賭博師同士の戦い、さらに親子関係のもつれからの人情ドラマを折り込み、やがて一年後の大賭場での主人公の最後の勝負がクライマックス。

本当に今回もわかりやすく、楽しめる。良いですね。17本作られた理由がなんとなくわかります。


「女賭博師さいころ化粧」
物語の骨格は「女の賭場」とほとんど同じですが、今回見ているこのシリーズの中ではサスペンスフルで一番面白かった。監督は井上芳夫である。

名人と言われた胴師の父親がイカサマと言いがかりをつけられ死ぬシーンから映画が始まる。全くの素人だった娘の銀子は納得がいかず、自ら壺振りとなって復讐を誓うというのが本筋。

弟子入りしたのが、父が死んだ賭場での相手の胴師。みるみる実力をつけ、イカサマのからくりも知り、クライマックスはいかさまを見破ったかのようなイカサマ師との一騎打ちとなる。

相手のイカサマをいかに見破るかというサスペンスが息を飲む緊張感を生む。気楽な娯楽というより、手のこんだ娯楽映画に仕上がっているのはやはり監督が変わったせいだろうかと思いますが、面白かった。

しびれくらげ
とにかく、こじんまりした映画だった。田舎から都会に出てきた一人の女が、その体を武器に次第にのし上がって行く話なのだが、いかにもしょぼい。ただ、渥美マリの色気だけで展開するのみの一本。監督は弓削太郎である。

クリーニング店に勤める主人公は、ただ無愛想で、客の衣類を盗んでは悦に浸っていたが、そんな彼女の体に惹かれた主人が虜になってしまう。当然家庭は崩れるが、主人公はさっさとその家を出て、別の小料理屋へ。そこで知り合った金持ちの老人の愛人となり、贅沢をするも、その老人が腹上死し、今度はキャバレー勤めをする。こうして職を変わり男を代わり、金を貯めて行く。

最後は、ちょっとした傷害沙汰になり、その話題で高級クラブに引き抜かれてエンディング。

おそらく、プログラムピクチャーとしてのもう一本と二本立てだったのだろうが、いかにもな映画だった。これも時代を感じさせる映画かもしれませんね。