くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アリー スター誕生」「シュガー・ラッシュ オンライン」

「アリー スター誕生」

期待しすぎたのかもしれないが、何度も映画化されてきた中でのオリジナリティを追求しすぎたせいか、脚本が今回は良くない。レディ・ガガの歌の映画に終始してしまって、肝心の時間の流れ、ヒューマンドラマの部分が希薄になってしまった感じです。監督は主演も務めるブラッドリー・クーパー

 

一人の女性アリーが昼の仕事を終えて、これからバーでの歌の仕事に向かうところから映画が始まる。自分に自信がなく、小さなバーで歌う彼女の夢は当然音楽界での成功だった。

 

一方、世界的なロックスタージャクソンは、今日もライブを大成功させて、帰路についていた。酒とドラッグに溺れがちで、耳は難聴でスタッフでもある兄ボビーから補聴器を勧められているが断固として拒否している。

 

帰り道、酒が恋しくなったジャクソンは通りがかりにバーに立ち寄り、そこでアリーの声に聞き惚れる。そして次のライブに来るように誘うジャクソン。仕事に嫌気がさし、啖呵を切ってやめたアリーはジャクソンのライブへ。そこで無理やりステージに立たされ一曲を披露。一躍話題になる。アリーと一緒についてくる職場の同僚らしいジョージの存在の意味が見えない。また、ボビーがジャクソンの兄であるという紹介も冒頭に出てこない。彼が唯一ジャクソンを支えているはずなのでそこが適当なので物語に厚みが増してこない。

 

やがてアリーが徐々に人気が出て、二人は結婚。しかし、ジャクソンは酒とドラッグで次々とステージで失敗をする。この辺りはオリジナルのストーリーなのですが、アリーの歌うシーンは見事ですがドラマシーンがどうも良くないために、いかにアリーがジャクソンのことを思っているのか全然胸に迫ってこなかった。

 

みるみる成功するアリーはマネージャーのレズの力もあり、とうとうグラミー賞の対象となり新人賞を受賞するが、その授賞式で酔いつぶれたジャクソンは舞台で失禁しアリーに恥をかかせる。

 

ジャクソンはそのままアル中の更正施設に入るが、アリーはジャクソンのことを愛し続けていた。という展開も非常に薄く、この弱さがラストの盛り上がりを作れなかった感じです。

 

退院したジャクソンにボビーは、もしまたアルコールを飲むようになったら離婚してくれと頼む。ジャクソンは、アリーから身を引く決心をし、一緒に歌おうと誘われていたライブに行かず自宅のガレージで自殺する。

 

追悼のステージを熱唱するアリーのシーンで映画が終わるが、ここのカメラワークが非常に悪く、これまでのヒューマンドラマの部分が胸に迫って来ないので、結局レディ・ガガの映画で終わった。作りようでもっと良くなるも物語なのですがちょっと残念。

 

決して凡作ではないのに、ここまで期待と鳴り物入りできた作品だけに期待が大きすぎた感じです。

 

シュガー・ラッシュ オンライン」

やはりディズニーアニメは楽しい。圧倒的に作劇がうまいというほかない。シンプルな話を積み重ねてラストは一気にわぁーっと終わらせる。これは流石にほかが真似のできない独特の世界で、ディズニーのファンがたくさんいるゆえでしょうね。前作も楽しかったが、様々なアニメや映画キャラが所狭しと登場する今回も、一瞬も目を離せない面白さでした。

 

主人公ヴァネロペとラルフが暮らすアーケードゲームシュガー・ラッシュが壊れてしまい、そのまま廃棄処分になりそうになる。壊れた部品を手に入れるべくイーベイで見つけたラルフたちはネットの世界に飛び込んでいく。

 

ネットの中で彼らは目新しい現代の世界を垣間見ながら、必死でお金を稼ぎイーベイで部品を手に入れようとする。しかし、一歩間違えば危険なことになるネット世界でちょっとしたことでラルフとヴァネロペの友情も壊れかける。しかし最後はハッピーエンド。ヴァネロペはネットゲームにその居場所を見つけ、ラルフは元の世界に戻って、お互い携帯電話で時々会うようになり映画が終わる。

 

ディズニーの歴代プリンセスが登場する場面がとにかく楽しいし、クライマックス、ラルフを助ける下りは痛快。単純そのものですが、面倒なメッセージは潜ませず、駆け抜けるように展開する作劇のうまさはやはり絶品。楽しいひと時を過ごせました。