くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「グレイテスト・ショーマン」「悪女/AKUJO」「ウイスキーと

kurawan2018-02-20

グレイテスト・ショーマン
単純に感動。隙のないストーリー展開と楽曲の素晴らしさに最後まで引き込まれました。監督はマイケル・グレイシー。

主人公フィニアスが華麗な舞台を演じるクライマックスから映画が始まる。そして彼の姿は貧しい少年時代へ。

しがない仕立て屋の息子フィニアスは、良家の娘チャリティと結婚する。それまでの時間の流れをスピーディに見せ、あとは彼がフリークスを雇ってサーカスで大成功し、しかし、上流階級に憧れたために有名な歌手ジェニー・リンドの興行にうつつを抜かす間に、元のサーカスは廃れ、家族にも去られるが、思い直し戻ってみたら、劇場は放火され、何もかもなくなったものの、フリークスたちの支えと家族が戻り、テントで復活してエンディング。

ミュージカルナンバーの華麗さとダンスの派手さが、懐かしいレビューのような感覚を思い起こさせてくれる作品で、まるで作品自体がサーカスのように楽しい。曲もいいし、歌も良いのだが、全体がどこか古臭さとスケールの小ささを感じさせるのがどうも気になる。とはいえ、楽しめるミュージカル映画という感じでした。面白かったです。


「悪女/AKUJO」
鳴り物入り韓国映画で、スタイリッシュな映像が売りといことでしたが、冒頭の一人称カメラと長回しを使用した殺戮シーンはなかなか見ごたえがあり面白かったが、その後のストーリー展開が、過去と現代を繰り返す雑な組み立てでとにかく長い。

しかも、登場人物の整理が最後まで見えてこないし、組織の関係も不完全でよくわからない。もっとスピーディにまとめれば面白かったように思う一本でした、監督はチョン・ビョンギル

一人の女がある建物に入り、みるみる向かってくる男たちを殺して行く。一人称カメラと延々とした長回し、最後にミラーに映るこの女スクヒのカットで物語は本編へ。

スクヒは警察に捕まり情報員として、訓練、改造を受け、その諜報員としてミッションをこなして行く。そこに、なぜ冒頭のシーンに至ったかなどが語られるが、最初からあんなに強いのに今更、情報員としての訓練がいるのかと思うが、エリートの諜報員となった彼女の姿を描いて行く。

一方、彼女に恋する若い諜報員がいて、かつての恋人が殺されて、冒頭のシーンはどうやら父を殺された復讐のためにいったかつての恋人が殺され、その復讐のシーンだったようで、どうにも話の辻褄も合わない。

結局元恋人は生きていて彼が黒幕だったため、彼を殺してまた警察に捕まりエンディング。かなり雑なストーリーである。オープニングのカメラワークだけで息切れした感じの一本でした。


ウイスキーと2人の花嫁
実話とはいえ、映画の作り方が実に洒落ていて楽しい。見せるべきシーンがちゃんとわかっているので、とにかく終始ニコニコして見ることができた。監督はギリーズ・マッキノン

時は第二次大戦真っ只中のスコットランドの小さなトディ島。配給の最後のウィスキーが尽きるところから映画が始まる。この島では二つの恋が真っ最中。郵便局を営むマクレーンの二人の娘ペギーとカトリーナである。

ある夜、一隻の船が沖で座礁、なんと中には五万ケースのウィスキーがあるということで、島民たちは船を出そうとするが折しも安息日で1日お預け。このさりげない導入部もまた楽しい。

ここに堅物のワゲット大尉がいて、島民がウィスキーを盗むに違いないと監視しようとする。このキャラクターの配置も見事。

そして安息日が明け、島民たちは山のようなウイスキーを運び出すのだが、ワゲットは関税庁に連絡をして、その調査員をよびよせる。しかし、島民の機転で無事ウイスキーを隠し、まんまとはめられたワゲットは本島へ送還される。

無事、2組のカップルはウイスキーを飲んで結婚式をしてエンディング。

散りばめられるコミカルな展開や、関税庁の調査員と島民の駆け引きや、一人クソ真面目なワゲットの登場やら、映画として実によく組み立てられている。1949年に映画になった作品のリメイクらしいが、こういうほのぼのしたヒューマンコメディは見ていて嬉しくなります。楽しい映画を見ることができました。