「セリーナ 炎の女」
未体験ゾーンの映画たちで見たのですが、なんともテンポが緩い上に物語にメリハリがなくて、最後までひたすら眠かった。監督はスサンネ・ビア。
伐採キャンプで製材を行う主人公のジョージは、ある日一人の女性セリーナと知り合い、一目惚れして結婚する。セリーナも同業を営んでいた父の影響で製材にも詳しく、すぐにジョージの仕事に共同経営者のごとく参加して行く。
資金繰りの厳しいジョージの製材所、国定公園の計画もあり収容されようとしている状況の中物語は進んで行くが、一見サスペンスのようでありながら、どこかちぐはぐ感のある噛み合わせの悪い展開で、セリーナの登場で何かが狂い始めるという空気が見えてこない。
一方ジョージにも何やら過去に何かあった風なカットも挿入されているが、どうもそれもスッキリしないままに謎めいたまま終わって行く。
結局、ジョージも死に、セリーナも自殺して映画が終わるが、一体なんだったのだろうという作品だった。
「曇天に笑う」
まさに混沌とした映画。どこを見せ場にして何を語りたいのか全くわからないままのラストシーンになってしまった。原作コミックを知っている知らない関係なくまとまりのない仕上がりという感じでした。監督は本広克行。
琵琶湖のほとり、三百年に一度蘇る大蛇を使って、再び世にはびころうとする一族、新しい日本を作るために再度封印しようとする政府、代々守り抜いて来た主人公たちが入り乱れての三つ巴戦という物語なのだが、何がどうなのかわからず、中途半端なアクションシーンもそれほど斬新なものではないし、普通の殺陣。
結局人間ドラマの部分も勧善懲悪の部分も今ひとつで、ただ闇雲に物語を描いたという仕上がりになった。果たして原作がどれほど面白いのかさえわからない出来栄えは残念。