くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「女々演」

kurawan2018-03-27

「女々演」
本当に小品なのですが、なんか、すごく良かった。こういう、あまり凝り過ぎず素直に作られた映画というのは見ていて気持ちがいいです。これが青春なんだなと思ってしまう一本に出会いました。監督は高野舞。

高校の演劇部、文化祭に向けてヒロインを投票で決めているシーンから映画が始まる。五人の無記名投票なのに、なぜか六枚の投票が読まれて、部長がキレたところから物語はここに至る経緯に遡る。

文化祭の演目でヒロインをするはずのひかりが、芸能事務所のスカウトを受けたため突然退部、なんと本番まで3日しかない。残ったメンバーがLINEの様々なグループで本音トークする冒頭がまず面白い。

さてヒロインを誰にするか、物語はここが中心の展開で、冒頭の投票へ。ここからすったもんだの中で、一番見栄えの良くない美紅に決まり、いよいよ本番前日となる。

しかし、最後の最後に部長の沙彩に変更、演劇部内のゴタゴタも爽やかにまとまって本番の舞台の幕が上がる。で、客は六人。そして終演後、落ち込んだ四人の女子部員が、LINEの中で一旦「バタッ」と倒れるがすぐに「ぴょこん」と立ち上がり、笑いあって学校を後にしてエンディング。

これって若さだね。これって本当の青春だなと拍手したくなってしまいました。決して傑作とかハイクオリティな映画ではないけど、すごく素直に素朴に見ていられるんです。こういう映画大好きです。