くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「花咲くころ」

kurawan2018-04-06

「花咲くころ」
少女二人を主人公にした瑞々しい話のはずなのに、とにかく地味で殺伐としている。舞台がソ連から独立し、混乱が続く時代のグルジアゆえであろうが、観ていてやるせなくなってくる。監督はナナ・エクシュテミシュピリとジモン・グロス

14歳の少女エカがバスに揺られている場面から映画が始まる。着いたのはパンの配給所で、友だちのナティアが先に並んでいる。物語はこの二人の少女の学校での生活、家での毎日、そして地域のなんとも殺伐とした日常が描かれていく。

ある日、ナティアは友達のラドから拳銃をもらう。なぜか強くなったように変化するナティアを見つめるエカ。どこか物語の歪みが生じてくるのはここからですが、この後の物語もやたら長い。

ナティアはある時、彼女に気があるコテに連れ去られ強引に結婚させられる。しかし、それはそれで受け入れるナティアだが、ラディに近づいたナティアを見てコテはラドを殺してしまう。

一時は拳銃でコテを殺そうと考えるがエカに止められ、エカは拳銃を湖に捨てる。
カットが変わるとバスに揺れるエカの姿、彼女は、留置所にいると聞いている父に会いに向かっているのだ。そして、係員に案内されて行くところで映画が終わる。

おそらく、拳銃を捨てたことで、ある程度元どおりになったのだろう。この映画のキーは拳銃だと思うが、全体がとにかく地味な作品なので、クオリティは高いが実にしんどい。主演の二人の少女が可愛らしいので見ていられるというレベルの一本だった。