くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ワンダー 君は太陽」「メイズ・ランナー 最期の迷宮」

kurawan2018-06-15

ワンダー 君は太陽
もっとありきたりな映画かと思っていたが、意外に工夫されたドラマに仕上がっていました。単純に遺伝子異常で生まれた主人公オギーの不幸の物語ではなかった。周辺の人物のドラマにも視点を当てた作りがなかなか好感でした。監督はスティーブン・チョボウスキー。

遺伝子の異常で、顔が崩れて生まれたオギーは何度も整形を繰り返し10歳を迎えていた。それまで自宅で母に教育を受けていたが、中等部に入るとしになったのを機会に地元の学校へ通わせることにする。オギーはその顔を隠すためにお気に入りの宇宙ヘルメットをかぶっているが、当然学校へ入るのに外さないといけない。

初めての日、3人の同級生に学校を案内され、いざ初日、案の定いじめられ落ち込んで帰るが、成績が抜群にいいオギーは理科のテストで1人の少年ジャックと親しくなり、それをきっかけに打ち解け始める。

物語はオギーの話ばかりではなく、オギーにやたら構う両親の姿に寂しさを覚える姉ヴィアの物語も描かれて行く。この視点の切り替えが非常にいいドラマとして展開するのがこの映画のいいところです。

ヴィアは親しかったミランダに素っ気なくされ落ち込んでいる。そんな彼女に1人の青年が近づきほのかな恋が芽生える。一方のミランダは、両親がうまくいってなくてそのせいで、ヴィアになり切れば解決するのかと試していたのだ。もともとオギーとも親しかったミランダはオギーを通じてヴィアとの仲を取り戻す。

オギーはというと、ハロウィンの日、ジャックがオギーの陰口を言っていたのを聞いてしまい疎遠になる。しかしジャックにその気はなかった。そんなオギーにサマーという女の子が近づき親しくなる。やがてジャックの誤解も解けオギーはクラスに溶け込んで行く。

そして学年終了の日オギーは最優秀に選ばれて映画が終わる。

単なるオギーの成長の話ではなく、姉のヴィアや友達のジャック、ミランダなどにも視点を向け、思春期の揺れる子供達の繊細な姿を捉えた脚本が実に爽やかで、ラストシーンは、いつもの展開かもしれないが、素直に受け入れることができました。いい映画の部類に入る一本だった気がします。


メイズ・ランナー 最期の迷宮」
だらだらと何の工夫もないストーリー展開とメリハリのない映像、しかも一体あの迷路の経緯は何だったのかと思うような物語構成にひたすらだれだれの映画だった。監督はウェス・ボール

巨大迷宮から三年かけて脱出したトーマスたちが、仲間のミンホを助けるために輸送列車を襲うシーンから映画が始まる。どうやら、外の世界はゾンビになるようなウィルスが蔓延していて、その血清を作るために耐性のあるらしい若者たちを迷路に閉じ込めたのだった。

とまぁ、全く適当な展開の最終章なのだが、ミンホはその血清のために捕らえられていて、その本拠地である都市の中心へトーマスたちが迫って行く。後はひたすらアクション映画となり、派手な銃撃戦などを交えて、無事救出するがトーマスの恋人は死んでしまうといおきまりのエンディング。

脱出した若者たちはどこかの海岸に集まり、これからの平穏な毎日を夢見て映画が終わる。まぁ、ありきたりもここまでくると開いた口も塞がらず、こういう映画を量産している今のアメリカ映画界はかなりの危険な感じではないかと思います。