「君はいま光の中に」
再生不良性貧血の子供の物語を軸に、献血制度のあり方を問うた作品で、少々大げさな演出が見られるものの、物語の構成は手抜きもなくしっかり作られているので、今時の難病ものとはレベルの差を感じてしまいました。監督は吉田憲二。
姉弟の兄弟を育てる普通の家庭の微笑ましい場面から映画が始まる。程なくして弟が再生不良性貧血と診断され、常に輸血提供者が必要になる。
物語はその提供者確保に奔走する母親の姿を通じて、その経済負担の問題、日本赤十字社の運営形態の問題などを描いて行く。
結局少年は亡くなってしまうのですが、献血提供者確保のノウハウを気づいた母親を中心に、団体が組織されていって映画が終わります。
社会メッセージを描いた作品で、まだまだ医療組織のネットワークが不十分だった40年近く前の日本の現状を見ることができました。