「エマの瞳」
ちょっと期待していた作品でしたが、何のことはない、プレイボーイのいけ好かない男の身勝手なラブストーリーで、心に迫ってくる切なさとかは全然なかった。国柄の違いという感じでしょうか。監督はシルビオ・ソルディーニ。
目の見えない人たちの現実を体験するワークショップの場面から映画が始まる。広告会社に勤める主人公のテオは、ある時、ドラッグストアでワークショップで素敵な声だと思っていたエマの声に気がつき声をかける。
エマは17歳の時から目が見えなくなり、今は弱視の友人と暮らしていた。そして理学療法士として生計を立てていた。テオはエマの診療所に出向き次第に親しくなっていく。
テオにはグレタという恋人がいた。しかし次第にエマに惹かれていくテオは何かにつけてグレタとの約束を反故にしてエマと会うようになる。ところがある時、エマと買い物をしていたテオはグレタと鉢合わせ、言い合いになってしまう。
これを境にどこかグレタともエマともギクシャクしていくテオだが、エマのことが忘れられなくなっていた。
エマは、最近目が見えなくなり不登校になっているナディアにフランス語を教えていた。エマがテオと疎遠になり苦しんでいるのをみるにつけ、テオに会いに行って、エマにもう一度会うように説得する。
テオは仕事をすっぽかしてワークショップをしているエマのもとを訪れ、暗闇の中エマを抱きしめて映画が終わる。このあと果たしてどうなるのか。グレタはどうなるのか。余韻を残すラストシーンだが、どう見てもテオが鼻に付くプレイボーイだと思う。最後まで感情移入できなかった。