「ジョーズ」
これでスクリーンで見るのも見納めかと思って見に行きました。やはり面白い。この時代の映画にハズレはないです。監督はスティーブン・スピルバーグ。
オープニングの有名なカットから、畳み掛けるような展開、それでいてシンプルなストーリー。音と映像で見せる演出手腕の妙味。娯楽映画だけれど一級品。これがエンターテインメントです。
卓越した映像演出のうまさは今更いうまでもないですが、脚本も実によくできているし、何もかもがラストに向かって伏線が貼られていくのも見事。
教科書のような映画というのがありますが、その一本がこれだなと思います。
「ハイ・ライフ」
なんとも鬱陶しい映画だった。SFホラーという宣伝文句だったので面白いかなと思っていたが、これ見よがしに意味ありげなシュールな映像が次々展開し、結局、何を言いたいのか伝わらない上に、ストーリーにも一貫性がなくまとまらない。監督はクレール・ドニ。
主人公モンテが宇宙船の船外活動をしていて、船内には女の子の赤ちゃんがいるところから映画始まる。なんの説明もなく映画はここに至るこの宇宙船内の物語を語っていく。
どうやらある計画でブラックホールを目指している宇宙船。乗組員は全員囚人らしく、ディプスという医師が人工授精の実験らしきことをしている。しかし、船内の人間同士に摩擦が生まれ、一人また一人と死んでいく。ディプスが成功させた唯一の人工授精児の女の子とモンテだけが残り、その女の子は少女まで成長した頃、モンテと二人、ブラックホール内へ向かう。
最後は二人が向き合って、目を合わせてエンディング。なんか「2001年・・・」を思わせる流れで壮大な物語のようで実にスケールが小さい展開。退屈きわまりなかった。