くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「神と共に 第二章 因と縁」「デッドラインU.S.A.」「五本の指」

「神と共に 第二章 因と縁」

第一部がとにかくつまらなかったのですが、仕方ないので第二部を見ました。今回も出だしは本当につまらなかったです。ただ、今回はアクションというより主人公たちの1000年前の因縁が延々と語られるお話なので、ある意味、謎解きの面白さもあるといえばあるので、それはそれで、まだ楽でした。

 

全体を一本の映画とすればそれなりの面白さはありますが、作品としては中の下というレベルで、時間の無駄は否めません。物語を語るほどでもない。

 

まあ、世界中どこでも、この手の駄作は存在するので、そんな1本だったという感じでした。

 

「デッドラインU.S.A」

これが意外に面白かった。悪徳政治家を追い詰めていく新聞社の編集長の活躍を徹底的に追っていくストーリー展開が緊張感あふれるスピーディさでグイグイ引き込まれます。監督はリチャード・ブルックス

 

悪徳政治家リレンツォがまんまと追求を逃れるところから映画が始まる。カットが変わりザ・デイという新聞社の編集長エドの姿。折しもこの新聞社が売却されるという噂が広まり、それが真実だとわかる一方で、毛皮をまとって殺されたサリーの事件が舞い込む。

 

サリーの事件、リレンツォの人物を追っていくうちに次第に2つが絡み合って、殺人事件の真相が見えてくる。

 

リレンツォらの執拗な妨害をかわしながら、間も無く売却される新聞社で信念を貫いていこうとするエドたち。そして、ついに決定的な証拠を掴み、最終版の新聞でリレンツォの悪行を暴く記事が印刷され映画は終わる。

 

エドを演じたハンフリー・ボガートの熱演が光る一本で、スピード感あふれるカメラワークも秀逸。まさにピカレスクという感じのフィルムノワールでした。

 

五本の指

久しぶりに出会ったスパイ映画の傑作。緊張感、サスペンス、どんでん返し、全てが詰まった一級品の映画でした。本当に面白かった。監督はジョセフ・L・マーキンウィッツ。

 

時は第二次大戦下、中立国トルコのアンカラで各国大使を迎えてのパーティが開かれている。ドイツに財産を没収されたスタヴィスカ公爵夫人はイギリス大使にスパイになるからと金の無心をしている。

 

ドイツ大使と副官が公邸に戻ってくると、副官の部屋に突然一人の男が現れ、連合国の情報を渡すから金をいただきたいという。名前はディエロ。半信半疑の副官は、ドイツ大使と相談して、最初の取引で手にした情報で確認することにする。

 

ディエロは英国大使館に勤める執事で、その仕事ぶりから信頼されているが、一方大金を手にし、密かに想いを寄せるスタヴィスカ公爵夫人との生活を考えていた。

 

ドイツ大使はディエロの情報に信頼をし本国に送るが本国はなかなか情報を信じて動こうとしない。それでもディエロとドイツ大使との取引は続く。

 

一方イギリス側も、情報が漏れていると疑い始め捜査官を大使館に派遣する。そして、金庫のダイヤルに警報機を取り付ける。ディエロは危険を察知し、これまで手にした金を持ってスタヴィスカ伯爵夫人、今ではアンナと呼ぶ女性とリオデジャネイロへ高飛びすることにし、アンナに金の送金を頼んで準備をするが、なんとアンナは金を横取りし、スイスへ旅立ってしまう。

 

ディエロは最後の取引を再度持ちかけ、金庫の警報を切って情報を盗み、国外で取引すりと持ちかける。ところが、情報を手にして金庫に戻す瞬間に、たまたま掃除夫が電気を戻したため警報が鳴る。ディエロはすんでのところで脱出、取引のため国際列車に乗る。

 

一方ドイツ側もディエロを守るために乗り、イギリス側も列車に乗る。そして、取引の場所で見事金の受け渡しを済ませたディエロはイギリスからの追っ手と一緒に脱出、見事逃げ切る。この辺りの鮮やかさが本当に面白い。

 

最後の情報を手に入れたドイツ大使がそれを見ると、明らかにノルマンディー上陸作戦のことが書かれていたが、たまたまドイツ本国が手にしたイギリスの情報で、イギリス大使の元にスタヴィスカ公爵夫人から届いた私信にディエロはイギリスのスパイだと書かれていたので、破り捨てる。

 

一方、リオデジャネイロでのんびり暮らすディエロのところに現地の捜査官がやってくる。先日購入した不動産に支払われた金は偽札だという。そして、スイスでも使われた形跡があり、ドイツで刷られたものらしいという。全てが無になって大笑いするディエロのカットでエンディング。全く見事な映画でした。