くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「イソップの思うツボ」

「イソップの思うツボ」

カメラを止めるな!」のスタッフが結集ということで、ちょっと興味ありの映画。たしかにどんでん返しをわざとらしく繰り返すのは楽しいのだが、次第に飽きてきて、次第にくどくなって、次第に先が見えて、結局自主映画のよくできた感じで締めくくった。これを狙ったのかもしれないが、映画の色のオリジナリティは大したことないなという感じです。監督は浅沼直也、上田慎一郎、中泉裕矢。

 

一人の女子大生亀田のカット、いかにも鈍臭くて暗いイメージの彼女のシーンから映画は幕を開ける。ここにいかにも派手好きな三人の女子大生が絡んでくる。中心になっている兎草早織は、両親と三人で家族でタレントをしている人気者。そんなある時、一人の新任イケメン講師がやってくる。

 

このイケメン講師に一目惚れした兎草は猛烈アタックする。ところがカットが変わるとこの講師、兎草の母と不倫関係にあった。そして亀田が家に帰るとさっきまで親しく話をしていた母は跡形もなく、飼っている亀の水槽が割れている。

 

ここに復讐屋を営む戌井親子がひとりの男をリンチしている。仕事を終えたところへヤクザ風の男が現れ、一千万の借金を返せと迫る。そして返せないならある仕事をしろという。それは誘拐だった。ターゲットは兎草早織。

 

ここに兎草早織の父親が金髪の女とホテルにいる。いかにも不倫関係で、父親が出ていくと金髪の女は亀田だとわかる。父親は部屋の外に出た途端母から電話が来て、娘が誘拐されたという。

 

兎草の家族のマネージャーが金をこしらえ、三人で受け渡しに行こうとするが、途中で一人の女亀田を乗せる。実はマネージャーこそ亀田の父親だった。

 

兎草早織を監禁している倉庫にやってきた兎草の家族たちは、そこで、早織と監禁されたイケメン講師こそ亀田の兄だと打ち明けられる。亀田の家族は、事故で瀕死の重傷を負った母が病院で治療を待っている時、同じ事故で重症を負った早織が搬送されてきて、賄賂で治療の順番を入れ替えられ、そのため亀田の母は死んだ。

 

亀田の家族は兎草の家族に復讐をするために、ヤクザ男の計画に乗ったのだ。一方このヤクザ男、復讐劇をリアルタイムで見せて金持ちを楽しませることをしていて、亀田の家族が兎草の家族を殺すところを見せようとしていた。しかし、すんでのところで亀田はヤクザ男の計画から外れる。

 

ヤクザ男に殺されそうになった亀田らを助けたのは復讐屋の戌井らだった。そして、幕は終わり、戌井親子は金を亀田にもらってその場を去っていく。兎草の家族はそれぞれの真実がばれてばらばらになってしまう。

 

映画はこういう流れで展開して終わるが、詰め込みすぎたラストが退屈になってくるし、どんでん返しというより、羅列しただけで、鮮やかさが見えない。たしかに、凝ったものにしよう、工夫しようというこだわりが見えるが、あざとすぎて、ちょっといただけなかった。ただ、このレベル以下のメジャー作品が乱立している中では、これはこれで楽しかったです。