「ジェミニマン」
作りようによっては面白くなるはずなのですが、なんの工夫もない普通のアクション映画でした。あれなら、あえてクローンにする理由があったのかと思います。監督はアン・リー。
ベテランスナイパーのヘンリーが今日のターゲットを狙っている場面から映画は始まる。走っている列車のターゲットは生物兵器テロリストという情報の博士。ヘンリーの狙撃で暗殺に成功するが、かねてから仕事に疑問を持っていたヘンリーはこれを機に引退するという。
のんびりしようとボートで釣りに出て、沖でかつての戦友と話して、実はターゲットが生物学博士という民間人だと知らされる。しかも、自分のボートには盗聴器が仕込まれていて、港の受付のダニーも政府機関のメンバーだと知るが、直後ヘンリー達は暗殺者の集団に襲われる。
ヘンリーはダニーの助けを得て、事の真相を探り始める。ところがそこに、ヘンリーと同レベルの殺戮技術の若者の暗殺者が襲ってくる。なんとか逃れたものの、その若者の顔はヘンリー自身と瓜二つだった。ヘンリーはこれも戦友のバロンの助けで、ブダペストの飛び、追ってくる若者との対話の機会を探る。
あとは、クローンであるジュニアとヘンリー達のバトル戦がなんども展開、ヘンリーほどの優れた戦士を作るために、上司が仕掛けた計画だったという真相はあるが、だからクローンを作る必要があるのという話になっているのが実に雑。
最後の最後に、改心したジュニアはヘンリーとともに暗殺者たちと戦うが、そのあともう一人彼らに迫ってくる。撃たれても平気な機械のような男で、倒したあとマスクを取ればなんとジュニアよりも幼いヘンリーのクローンだった。
結局、ウィル・スミスの若き日をデジタル技術でやって見たというだけが売りの映画になっていて、肝心のクローン技術によるサスペンスが全くおざなりになっている。アクションシーンも今時珍しいほどの仕上がりでもないし、鳴り物入りの宣伝の割には普通の映画でした。
「ロボット2.0」
すでに前作から7年、さすがにあの時はちょっと斬新だったが、今回は結局二番煎じなので、ストーリーをもっと凝らないとしんどい。とにかく中盤の説明シーンがやたら長くてぐったりしてしまったので、後半クライマックスも、どうでもよくなって派手なCGアクションなのに眠くなってしまいました。監督はシャンカール。
一人の老人が鉄塔で首を吊る。たくさんの鳥がそれを取り囲んで映画は始まる。
突然携帯電話が大空に舞い上がる事件が起こり始め、やがてそれは時の大臣の命を奪うようになる。危機を感じた政府は、パシー博士と助手のアンドロイド二ラーに、封印していたチッティー復活する事を依頼。蘇ったチッティーだが、鳥の形の携帯の化け物にピンチに。ただ、その時に敵の弱点がわかる。どうやら携帯に恨みのある負の力を封じればいいとわかり、正の力を生み出す装置を開発する。
そして、負の力を封じたものの、パシー博士のライバルの博士がその封印したものを解放、チッティーは、パシー博士に入り込んだ負の力の敵に手が出せず、バラバラにされてしまう。
しかし、二ラーは、かつての邪悪なチッティーのCPUをアップロードして2.0バージョンにして敵と対峙させる。そして死闘の末倒し、パシー博士も元に戻ってエンディング。
中盤の携帯に恨みを持つに至った鳥類保護のくだりがとにかく長い。ぐったりしてしまい、冒頭の派手なシーンとクライマックスの派手なシーンを相殺してしまった感じになりました。