くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「スケアリーストーリーズ 怖い本」「初恋」(三池崇史監督版)

「スケアリーストーリーズ怖い本」

ギレルモ・デル・トロがプロデュースした作品です。たしかに面白いのですが、これといって斬新な映像も演出も見られない。ストーリーの展開は丁寧にきっちりしているので、B級感はあまりないがホラー映画としては普通というべきかな。監督はアンドレ・ウーブレダル。

 

時はニクソンが大統領になろうかという1968年、ハロウインの夜、ステラ、オギー、チャックの三人は、今夜、これまでいじめてきたトミーらを懲らしめるべくいたずらを計画していた。まんまと成功し、ドライブインシアターでラモンと知り合った三人は、町のハズレ、サラという魔女がかつていたというお化け屋敷の探検に行く。そこで、ステラはサラの本を見つけ持ち帰る。

 

ホラー作家を目指すステラはサラの本を開くが、なんと自然にページに物語が綴られ始める。そしてそこに書かれた通り、トミーが自宅の農場に立っている案山子に殺されてしまう。さらに、オギーもその本に書かれた物語通り行方不明になる。それらの話は、かつて子供の頃に聞かされた怖いお話の通りだった。

 

ステラ達はサラの本の謎に迫るべく調べ始める。屋敷に監禁されていたサラには病気があり、それを隠すために家族が閉じ込め、殺戮を繰り返してそれをサラの呪いのようにしていた。真実を知り、世間の噂を払拭すべく、サラに真実を伝える本を書くことを伝えるためにステラはサラの屋敷へ向かうが、すでにチャックも行方不明になり、ラモンにも化け物が迫っていた。

 

しかし、なんとか真実をサラに伝えたステラは、サラの本に自分の血で真実を語り始める。こうして呪いは解け、物語は終わる。まあ、よくあるホラーストーリーの典型的な一本でした。

 

「初恋」(三池崇史監督版)

三池ワールド炸裂の一本で、込み入って作り込み過ぎたというか、はちゃめちゃに近いストーリー展開に翻弄されてしまいました。ただ、おそらく、主人公は葛城レオなのですが、演じた窪田正孝はそれなりの役者ながら脇役が濃過ぎて、せっかくの中心のストーリーがぼやけてしまった感じですね。人生はわからないものだ、運命なんてどう転ぶかわからないということと初恋を絡めた話のはずがヤクザ抗争がやたら前に出てごちゃごちゃに仕上がったという映画です。でも楽しかった。三池崇史監督好きですね。

 

前途有望な若手ボクサー葛城レオのトレーニングから試合シーンで映画は幕を開ける。この日も試合があったが、なぜかあっけなくKO負け、病院で脳腫瘍が見つかり、余命僅かと宣告される。

 

ここに、昔ながらの極道者権藤が出所してくる。縄張りでは今や中華マフィアがのさばり始め、武力抗争は流行らないと極道組織の上層部も共存を考えている。権藤はそんな中華組織の幹部の腕を切り落とした過去があり、権藤出所で中華組織は沸き立っている。

 

権藤の組織の構成員の加瀬は、組織の薬を横取りする計画を立てていて、仲間に悪徳警官大伴を率いれる。薬の準備をする組員の住む部屋にはモニカという薬中の娼婦とヤス、その恋人のジュリが住んでいる。ここに薬が持ち込まれたのを見計らい加瀬が横取りし、大伴に処分を依頼する計画だった。ところが、加瀬がしくじり、ヤスを撃ち殺してしまう。さらに、大伴がモニカをこの部屋から連れ出す役目だったが、モニカが幻覚を見て突然逃げ出し、それを追いかける大伴に、たまたま通りかかった葛城が殴り倒し、葛城はモニカを連れて逃げ去る。

 

と、ごっちゃごちゃとしたストーリーの基盤が揃ってからはあとはあっちでもこっちでも派手な銃撃やらアクションが展開、そこに葛城とモニカのラブストーリーが絡むはずが、抗争シーンがやたら派手で、そちらが主になっていく。

 

さらに加瀬を付け狙う組員が実は中華マフィアに寝返りを企む男で、さらにごちゃごちゃとしてくるし、所々の小ネタや伏線が今ひとつ精彩にかけ、ラストで生きてくるのに一歩足りない感じです。

 

クライマックスはホームセンター内で加瀬らと中華マフィア、極道達の大乱闘殺戮シーン。首は飛ぶし手は飛ぶしのやりたい放題。その中で、葛城に病院からメッセージが入り、先日の画像は間違いだったということで、葛城は全く健康だったとわかる。で、誰も彼もが死んで、残ったのは葛城とモニカ、権藤だけで、警察のパトカーが包囲しているのを車で飛び出し脱出、途中で葛城とモニカを下ろして昔ながらの権藤は一人パトカーを引き連れベイブリッジ

 

葛城とモニカは、モニカの初恋の男性に会いにいくべく実家へ行くが、そこで幼馴染は妊娠した妻と一緒のところに出くわす。葛城はモニカを自分の家に引き取る。

 

葛城は再度ボクシングにチャレンジし、今度はKO勝ちして映画は終わる。なんともてんこ盛りのはちゃめちゃ映画だった。でもこのてんこ盛り感は好きです。