くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「レディ・マクベス」「ウルフウォーカー」

「レディ・マクベス

映画にキレがない。脇役が弱いために主役が浮かび上がってこない仕上がり。面白いはずなのだが今ひとつになるのが残念な映画でした。監督はウィリアム・オルドロイド。

 

主人公キャサリンと夫との結婚式から初夜のシーンになって映画は始まる。しかし夫となった男はキャサリンの裸は見るが抱こうとしない。さらに義父もキャサリンは跡取りを生むための道具のようにしか見ていなかった。ある時、義父も仕事で出かけ、夫も出かけた時、たまたま新しい使用人のセバスチャンらがメイドのアナを辱めている現場に出くわす。

 

キャサリンは粗暴なセバスチャンに興味を持ち、ある時部屋に無理やりやってきたセバスチャンに身を任せる。そして二人は不倫を重ねていく。まもなくして義父が帰ってきて、キャサリンを責めるがキャサリンは義父に毒キノコを食べさせて、部屋に閉じ込めて殺してしまう。それを目撃したアナはその日から口が聞けなくなる。

 

キャサリンはセバスチャンと逢瀬を繰り返していくが、ある明け方、夫が帰ってくる。街で噂を聞いてキャサリンを責めるためだったが、そこへセバスチャンが現れ、キャサリンと一緒に夫を殺してしまう。しかし、セバスチャンは人を殺したことに苛まれるようになる。

 

そんな時、テディという男の子を連れた女がやってくる。テディはキャサリンの夫が他の女に産ませた子供で、この家の被後見人なのだという。再び仕える身になったキャサリンは、たまたまテディが川へ遊びに行って溺れかけてセバスチャンが連れ帰った時に、テディの付き人が席を外した隙に殺す。

 

周りが、殺しであると推理し始め、セバスチャンは自分とキャサリンが殺したと白状するが、キャサリンはセバスチャンがアナと共謀して殺したと訴え、二人は逮捕されていく。一人残ったキャサリンがソファに座り、この家の主人となったことを見せるシーンで映画は終わる。

 

夫を殺してからいきなりセバスチャンがチキンな臆病者になってしまうのが何とも弱く、キャラクターが矛盾しているのがおかしいし、さらにアナのキャラクターの描き方も今ひとつキレがない。キャサリンが頑張っているが周りの弱さにそのまま引きづられた感じになってしまった。作り方で面白くなりそうなのに残念な作品でした。

 

「ウルフウォーカー」

これは良かった。美しい絵と躍動感あふれるアニメシーンが抜群。もう少しストーリーを整理して脇役もしっかり描けていたら傑作だった。でも良いアニメです。引き込まれました。監督はトム・ムーア、ロス・スチュアート。

 

森で木を切る人たち。突然狼に襲われるが何やら遠吠えが聞こえると一斉に去っていく。そして現れたウルフウォーカーに傷をなおしてもらう木こりのシーンで映画は始まる。

 

一人の少女ロビンはイングランドからアイルランドのキルケニーという街に引っ越してきた。父は狼ハンターで、ロビンも父に負けじと森にやってきた。しかしいつも父に叱られていた。というのもこの地を統治するために派遣された護国卿が大人以外が街から出るのを禁じていたからだ。母を亡くし、父は一人でロビンを守るために護国卿の命令を必死で遵守していた。しかしなんとか森に入りたいロビンは狼狩りに行った父を追って森に行く。そこで狼に襲われそうになり、そこを邪魔されたロビンはいつも連れている鳥のマーリンを撃ってしまう。マーリンは傷つくが突然現れた少女メーヴに連れ去られる。

 

しかし、その後マーリンはロビンの元に戻ってくる。そして再度森の入ると狼の姿のメーヴと出会う。彼女はウルフウォーカーだった。ウルフウォーカーは眠っている時は狼の姿に変身するのだ。ロビンも、罠に捕まって暴れている時にメーヴに噛まれ、眠ると狼に変身するようになっていた。

 

メーヴの母は行方不明だったが、どうやら護国卿の館に捕まっていることをロビンが見つける。メーヴは母を取り戻して森を去るつもりで母を待っていたのだ。しかしロビンの父の狼狩りも進まない中、護国卿は森を焼き払う命令を下す。一方で、生け捕ったメーヴの母を村人の見せしめにしようとするがロビンらの活躍で脱出、しかしメーヴの母は重傷を負ってしまう。

 

護国卿の軍隊が森に迫ってくる。メーヴ以下狼達が迎え撃つ一方、メーヴはヒーラーの力で母の傷を治そうと必死になる。また、ロビンの父もメーヴらと戦った時、噛まれてしまう。

 

護国卿と狼達はロビンの先導で戦い、ロビンがピンチになった時狼に変身したロビンの父は護国卿を倒す。そして狼全員の力を合わせてヒーラーを行いメーヴの母は蘇る。

 

ロビン、ロビンの父、メーヴ、メーヴの母はめでたく家族になって一緒に森で暮らし始めて映画は終わる。とにかく絵が抜群に美しい。それにスピーディに動き回るアニメーションが見事で、画面に引き込まれるのですが、残念ながら、ロビンと仲良くなる村人のおっさんやマーリン、その他脇役がもうちょっとストーリーを引き立てていたらもっと面白かったのにと思うと残念。でもとってもクオリティの高いアニメでした。