「愛しの母国」
中国建国七十年を記念してチェン・カイコーが総監督をし他に六人の監督を起用して製作されたオムニバス作品。国威高揚、プロパガンダ的な作品なのですが、歴史的な七つのエピソードにまつわる物語を、庶民のエピソードの中に捉え、なかなか面白い出来栄えになっていました。
もちろん、いかにもな国旗のシーンなども登場しますが、それを傍においても、七本の話を楽しめました。たしかに中国という国は世界から見ると色々問題もあるのかもしれませんが、現実に短期間で世界第二位になっていることは事実であり、そこを攻撃するばかりではいけないと思うのです。学ぶべきは学び受け入れるべきは受け入れていくのがこれからの私たちだと思います。
「星くず兄弟の伝説」
荒削りで投げやりに展開していく賑やかなロックミュージカル。ナンバーが楽しい。監督は手塚真。
主人公のカンとシンゴがステージで歌っている。客席はモノクロ映像というシーンから映画は始まる。いつものようにステージが終わり楽屋に戻ると、大手芸能会社プロデューサーアトミック南の目に止まり、プロデビューすることになる。そしてわずか一週間で大スターに上りつめた二人だが、シンゴは酒に溺れるようになる。そしてステージに穴を空けるが埋めたのは、彼らのファンクラブのリーダー役だったマリモだった。
一躍マリモはスターとなり、さらに政治家の陰謀が渦巻く中、新しいスターも登場、シンゴ達はすっかり落ち目に。そして、その後のドタバタが展開されて、画面は冒頭のライブハウスのステージシーンへ。こうして映画は終わっていく。
ミュージカル風で勢いよく展開していくのが楽しい。まさにデビュー作らしい一本でした。
ダラダラと即興のように展開するストーリーにため息が出てしまった。まとまりとか展開とかは無視し尽くした作り方もありといえばありですかね。監督は手塚真。
かつての栄光は何処へやらという今や老人となりバーを経営するシンゴは、DJで活躍するカンを誘ってもう一度ロックを始めようと思いつく。時は近未来、地球ではダメだと月を目指し、若返りの装置に入って若くなり月へ向かう。そこで訳の分からないプロダクションに入り、ロックの魂を探しに行き、ドタバタがあって、なんかエンディング。どうにも長く感じる終わりのないラストには参った。二度と見たくない。ような作品でした。