「PLAY25年分のラストシーン」
ホームムービーで撮りためた映像を編集したとして作られた作品で、よくある手法ですが、それなりに楽しむことができました。監督はアントニー・マルシアーノ。
13歳の少年マックスが両親にもらったビデオカメラで友人達や家族の日常を撮り始める。そして38歳になった彼がその撮りためた映像を編集し自分を振り返っていく。
友情、恋愛、失恋などを描きながら、現在に至った彼は、過去の後悔をやり直すべく、本当に愛していたエマに恋の告白をするラストシーンへ繋いでいく。
これという斬新さがあるわけではないですが、時間軸を前後左右させながら、一見ただのホームムービーですが、主人公マックスの切ない青春ラブストーリーという軸を崩さずに描いていく感じがとっても爽やかでよかった。
「Malu 夢路」
一体何を描きたいのか最後まで分からない映画だった。現実と幻覚、過去と現在、何もかもを混濁させたストーリー展開と人物の登場に翻弄される映画でした。監督はエドモンド・ヨウ。
ホンのところに妹のランが訪ねてくるところから映画が始まる。母が亡くなって20年が経っているという展開らしいがよく見えない。しかも、ランとホンがどっちがどっちかわからない描写も散見され、混乱の極みに入ってしまう。
少女時代、貧しくて母が姉妹とともに無理心中しようとした下から、ランとホンの幼い頃の記憶と想いか綴られるが、あるときホンが目を覚ますとランがいない。しばらくしてランの遺体が日本で発見されたという知らせで日本へ向かうホン。
そこでランと親しかった日本女性と出会う。ランはある時はシンガポール出身だといい、ある時は中国出身だといい、ある時は台湾出身だと言い、さらに自分の名前も様々に名乗っていたという。そして、何故か首を絞められて死んだらしい。
全く謎が解けないままに、ホンはランが知り合っていた謎の日本人を発見する。そしてその日本人はランとの思い出の森へとホンと出かける。どうやらこの謎の男がランの首を絞めたようで、突然ホンがその男の頭を殴って倒してしまう。そして一人山を降りるホンの前にランが現れ映画は終わる。
解説を読まないとなんのことかさっぱりの映画で、ストーリーテリングがなっていないのかと疑ってしまう作品でした。