「悪名一番」
たわいのない二本立て娯楽映画。そのたわいなさがこういう昔の邦画を見る楽しみでもあります。監督は田中徳三。
正月、何するでもなくゴロゴロしている主人公朝吉と清次の二人。そこに、忘年会の金を払ってもらえないと泣きつきにきた女将の話から、東京の悪徳金融会社と新興ヤクザの悪事につながって、ラストは二人の大暴れで大団円。
この頃は、東京に対する大阪のライバル心や、近代的になっていく弊害、古き良き古の義理と人情の世界の廃れていく姿を何度となく出てくる作品が増えてくる。その時代の流れを感じる瞬間もまたあって、ノスタルジックな感慨に耽ることができました。
「悪名無敵」
こちらもたわいのない娯楽映画。今回は、一昔前の大阪がみれるのと、八千草薫さんの娼婦姿が観れるのが楽しみという映画でした。監督は田中徳三。
競輪で勝って、天王寺でぶらぶらしていた清次と朝吉はいかにも家出娘という一人の女性に関わったことから、売春をしている女(八千草薫)とその女親分に関わって、いつものように大暴れして大団円という流れで描かれる義理と人情の世界。
まあ、ワンパターンと適当な展開ですが、これもまた古き良き映画全盛期の息吹を感じる作品で楽しめました。