くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ヒトラーに盗られたうさぎ」「ノッティングヒルの洋菓子店」

ヒトラーに盗られたうさぎ」

ナチス映画ですが、非常にゆるい作品でした。というより少年少女向け映画という感じです。ドイツの絵本作家ジュディス・カーの自伝的映画です。監督はカロリーヌ・リンク。

 

ドイツで暮らすアンナは、兄マックス、優しい両親とハインピーという優しい家政婦と暮らしていた。父アルトゥアは有名な演劇批評家で、またヒトラー政権に痛烈な批判をしている人物でもあった。

 

ナチスが政党の第一党となることが決まった時、ユダヤ人でもあるアンナの家族はスイスに移住することを決意する。住み慣れた家、親しい友達とも別れるアンナはそれぞれに別れの挨拶をしてスイスに向かう。習慣も言葉も違う村での新生活にも慣れた頃、アルトゥアがフランスで仕事が決まったこともあり、再びフランスへ行くことになる。

 

しかし、生活は日に日に困窮し、親しかった叔父もドイツ本国で命を絶つことになる。しかし、アルトゥアは書いた脚本がイギリスで売れることになり、アンナ達はイギリスを目指す。イギリスに向かう船の中で映画は終わっていく。

 

よくあるナチス映画とは違い、アンナ達が悲惨な境遇になることはなく、普通に学校へ行き、その地に慣れるという展開だけで物語が進む。生活が苦しいと言ってもそれほどの悲壮感は画面から出てこない。ジュディス・カーの自伝部分に焦点を当てただけの普通の作品でした。

 

「ノッティングヒルの洋菓子店」

使い古されたありきたりなストーリーと展開にがっかりなのですが、人気ショップ「オットレンギ」の全面協力によるお菓子の数々が楽しい映画でした。監督はエリザ・シュローダー。

 

ミミが、娘サラに手紙を書いている。サラが自転車で疾走している。ミミは封筒を閉じる。サラの娘クラリッサのカットから、サラが死んだことがわかる。サラは友人のイザベラとベーカリーショップを開業する準備をしていたが、サラの突然の死で頓挫していた。クラリッサも夢であるクラシックバレエに身が入らなかった。しかし、クラリッサは母に夢を叶えるべくイザベラに相談し、自分と二人で店を出そうと提案する。資金は祖母のミミに頼ることにする。

 

開店準備を整える一方でパティシエを募集するがなかなかめぼしい人が来ない。そんなところへ、サラの元恋人マシューがやってくる。彼は二つ星レストランのシェフだった。イザベラは最初は躊躇するが結局雇うことにし、いざ開店。しかし、客は来ない。ミミはたくさんの国の人が住むロンドンなら故郷のお菓子を作れば売れると考え、リサーチし販売を開始する。一方マシューはクラリッサが自分とサラの間の女ではないかとDNA鑑定に出す。

 

例によって、イザベラはマシューと懇ろになり、ミミにも恋人ができ、店も話題になって繁盛、クラリッサはマシューの子供ではなかったがハッピーな展開で映画は終わっていく。どのエピソードもありきたりで、その場限りで消えていくし、中心の話もぼやけているし、本当に今更という凡作でした。