「バクラウ 地図から消された村」
いかにも際物的な映画ですがカンヌ映画祭審査員賞受賞ということで見にいく。なんのことかという映画です。派手な殺傷シーンもグロテスクなシーンもありますが、どちらかというと不可解なシーンばかりでシュールに展開させたという感じの映画でした。監督はクレベール・メンドンサ・フィリオ。
給水車を運転する男性と助手席に乗る女性が、バクラウという村に向かっている場面から映画は始まる。途中、棺桶を乗せた車がバイクと事故を起こしたらしく、道に棺桶が散乱している。
二人が村に着くと、何やら奇妙な丸薬を飲むシーンから、一人の老婆カルメリータの葬儀の場面につながる。隣村のトニーという男がやってきて水に関する諍いを適当に丸め込もうとし追い返される。まもなくして給水車のタンクに銃弾が撃ち込まれるとう事件が起こり、バイクに乗った男女のツーリングカップルが村を訪れる。不可解なよそ者に村人達は警戒する。
やがて二人が去るが、その夜、近くの農場の馬がたくさん村に流れてきたので、村人が農場を見にいくが、農場の住民は無惨に殺戮されていた。その帰り村人はそこでツーリングカップルに撃ち殺される。空にUFOみたいな形のドローンが飛んでいて村人を監視している場面が映る。
村から少し離れた小屋で、数人の男達が村を襲う計画を立てている。どうやら何者かに頼まれたならず者集団らしい。やがて、その集団はバクラウの村に向かうが、異変を察知した村人は迎撃体制を整え隠れて待ち伏せする。そして向かったならず者達はリーダー以外は全て返り討ちになう。実はトニーが雇ったらしい流れになり、ならずものリーダーも地下の牢屋に生き埋めにされて映画は終わっていく。
なんか、シュールなのか、不条理劇なのかよくわからない映画で、どこがカンヌ映画祭審査員賞なのかわからない作品だった。
「ミッドナイト・スカイ」
これというほどのものではない普通のSF映画というか配信動画という感じでした。監督はジョージ・クルーニー。
地球が壊滅状態になった近未来、北極圏の天文台にオーガスティン博士がいた。壊滅状態になった地球から脱出せず一人残って地球を目指す宇宙船を探しながら、末期の病気に耐え暮らしている。そんな彼はある時、自分の意思が弱ってきたのを知る。準備した覚えのない食事があったり、うっかり火を消し忘れていたりする。そんな彼の前に一人の少女が現れる。彼女は言葉を発せず、絵で自分の名前をアイリスと教える。
一方、地球を目指すアイテル号という宇宙船があった。木星の衛星を調査し他のち五人のクルーを乗せ地球への帰還の途についていた。しかし、軌道の異常で何度か危機に瀕する。まもなくしてオーガスティン博士との交信がつながる。
映画は、少女アイリスと暮らすオーガスティンの姿と地球へ向かうアイテル号のクルー達を交互に描いていく。オーガスティン博士は時々若き日を思い出し、別れた妻や娘の姿を夢に見たりした。
やがて途切れ途切れにオーガスティンはアイテル号と通信が繋がるようになり、地球が瀕死状態で、帰還は難しいとオーガスティン博士はアイテル号のクルーに伝える。そして、木星で発見した小惑星に引き返すように提案する。しかしアイテル号のクルーのうち二人は、家族との約束を守るためあえて地球へ再突入を決意、船長と女性クルーは引き返すことになる。その女性クルーの名はアイリスと言った。
死を覚悟して空を見つめるオーガスティン博士の傍にいた少女の姿は今はなく、彼の幻想であることがわかる。こうして物語は終わりますが、やはり動画配信作品の域は超えないレベルの作品でした。