くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」「新解釈・三國志」

ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」

いい映画のはずなんですが、人物の焦点がぼやけていて、誰を中心に描いているのかが中途半端に仕上がったのが残念。でも楽曲は素晴らしいし、ダイアナ・ロスの娘トレイシー・エリス・ロスの存在感と声が抜群でそれだけでも値打ちのある映画でした。監督はニーシャ・ガナトラ。

 

今や押しも押されるトップスターとなったグレースのステージから映画は幕を開ける。彼女の付き人のマギーはそつなく仕事をこなしているが、夢はプロデューサーになることだった。一方グレースは、過去の名曲ばかりを安定的な舞台でこなす日々に、疑問を感じていた。しかし、マネージャーを含め彼女のスタッフは、不動の地位にいる彼女をスターの座に残すことでビジネスを繰り返していた。

 

そんなある時、マギーは街で音楽好きで、自分でもシンガーである青年と出会う。マギーは彼の才能を認めて、自分の夢のために彼のプロデューサーとして彼をデビューさせようと計画する。そして、、グレースのパーティの前座で歌わそうとするが、青年に拒否された挙句、その失敗でグレースの付き人もクビになる。

 

落ち込んだマギーはラジオ番組をしている父の元に帰る。しかし、彼女の存在が不可欠と気づいたグレースはマギーのところへやってくる。折しもマギーも青年に謝り、呼んでいた。そしてグレースと青年は鉢合わせするが、なんとその青年はグレースが極秘に生んだ息子だった。多分そうだろうと思ったが、予想通り。

 

こうして、絡んだままに青年はデビューしてステージ、グレースは新曲を出して、ゲストとして母グレースも歌って映画はクライマックスとなる。マギーのプロデューサーになる夢も叶い、ハッピーエンド。

 

物語はマギーの話だと思うが、グレースの人間ドラマの部分にも青年をデビューさせるドラマにも同じ程度の力の入れようになっていて、中心の話が見えないままに、ラストの取ってつけたような締めくくりになった。脚本と演出の力点の置き方のミスですね。いい映画になるはずが残念。

 

「新解釈・三國志

安上がりに適当に作ったコメディという出来栄えで、新解釈ならもっと面白おかしく異説を工夫した上で馬鹿騒ぎするならありだと思うが、適当に人気俳優をチラホラ出して、ノリだけで作った感満載の仕上がりは、観客を馬鹿にしてるとしか見えない。この程度でおもろいやろと言わんばかりの制作サイドに腹がたちました。監督は福田雄一。ファンなのにがっかり。

 

物語は、「三國志」の有名なエピソードを適当にちゃらけただけで展開して、結局赤壁の戦いで締めくくる定番の物語で、思いつき程度の展開はあるもののとてもプロが作ったと思えない仕上がり。シネコンで金を取って見せるレベルではなかった。福田雄一ならもっと面白く仕上げられるだろうに、近頃の状況を埋め合わせで作ったとしか思えなかった。