くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「クィーンズ・オブ・フィールド」

「クィーンズ・オブ・フィールド」

これは楽しい映画だった。たわいのない作品だけど、全編ハートフルコメディ満載、登場人物の背景をさりげなく挿入して、くどくどしない上に、サッカーシーンもちょうど良いバランスで配置した脚本が楽しいし、心が狭いのは男たちで前向きなのは女たちという設定の一方で現実を交えた展開も面白いし退屈しない上にリアリティもあって楽しいのです。監督はモハメド・ハムディ。

 

サッカーが盛んな街クリルエール、町のサッカーチームSPACはかつては連戦連勝のチーム、その栄光のフィルムを見る街の人々のシーンから映画は幕を開ける。しかし若者は皆隣町に行き、今やなんとかメンバーを維持する程度の選手のみ。この日監督のマルコ率いるチームのリーグ戦だったが、試合中、二日酔いのまま参加したミミルの暴走から乱闘になってそのまま残る三試合を残して選手全員が出場停止になる。

 

チームが解散になる危機を迎えたが、選手の妻たちが立ち上がる。しかし、そう言っても夫の反対や子育てもある中、なかなか人数が揃わない。マルコは奔走しなんとか十一人集め練習を始める。セレブで妻の参加に反対のミシェルが何かにつけ妨害を始める。なんとか迎えた第一試合は惨敗、夫たちの妨害もエスカレートしてくるが、妻たちはさらにエキサイトしてくる。そんな時、サンドラという元サッカー選手で犯罪を犯して娘を取り上げられた女性が更生を証明するために応募してくる。

 

数々の妨害の中迎えた第二試合はサンドラの活躍で善戦したものに負けてしまう。チーム存続のためには最低引き分けを取らないといけない。残る試合は一試合となる。一方、サッカー協会は男女混合の試合を認めず、次の試合は無効になることを告げてくるがマルコは選手に内緒にして最後の試合に臨む。ミシェルの妨害も度を越してくるが、マルコの父パピーが一芝居をうって心臓麻痺で倒れたふりをしてミシェルたち反対する夫たちの心を改心させる。

 

そして、最後の試合、一旦一点を入れられたものの最後の最後にサンドラがゴールを決めて引き分けで試合を終える。試合後、チームリーダーのステファニーが試合の無効を選手に教え、マルコは知らなかったことにする。その後、ミミルはチームにきた若い女性と結婚、サンドラも晴れて娘を取り戻し、ミミルの披露宴の会場で晴れやかに笑う姿で映画は終わっていく。

 

ありきたりのスポーツドラマではなくて、それでいてただのコメディにも終わらせないのがとっても楽しい作品。たわいない映画でしたが、見終わって爽快感に包まれました。