くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「奥様は、取扱注意」

「奥様は、取扱注意」

全く期待していず、時間潰しに見に行ったのですが、普通に面白かった。物語の先を急がず丁寧に書き込んだ脚本が良かったのと、アクションシーンに手を抜いていない点、そしてどこかで見たようですがラストシーンもちゃんと舞台を作っているというこだわりも良かった感じです。綾瀬はるかはあまり好きではないのですが、最近演技力に磨きがかかってきた気がします。彼女は遅咲きの演技派だったかもしれません。監督は佐藤東弥

 

海辺の街珠海市、新エネルギーメタンハイドレートの誘致をめぐって、現職の市長と反対派の新人市長の選挙攻防が行われていた。実はこのプロジェクトには、裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいて、密かに公安が調査をしていた。その街に、一年半前に事故で記憶を失った菜美と勇輝が別の名前で住んでいる。物語は、メタンハイドレートの誘致を利害に取り込もうとする悪徳企業側が現職市長を応援しながら露骨に反対派の新人候補者を痛めつけていくという流れになる。

 

そこに、記憶を失った菜美が絡み、一方で菜美を監視する勇輝や精神科の医師を織り交ぜながら、次第に記憶が戻ってくる菜美の姿を実にさりげなく焦らず描いていくのが良い。

 

そして、メタンハイドレートが環境に悪影響であることを証明するデータ資料が調査船の中にあることがわかり、その調査船で行われるパーティの席に勇輝が潜入、ロシア側とバトルを始めたところへ記憶の戻った菜美が現れ二人で大乱戦。かねてから菜美に恨みのあったロシアの殺し屋と菜実との一騎討ちが取ってつけたように調査船の鉄塔の上で繰り広げられるのをクライマックスに、実は勇輝のかつての同僚が公安をスパイしていたことを暴き出す流れになって、記憶の戻った菜美を勇輝が撃ち殺して菜美への公安の追跡を封じるラストになる。

 

当然、菜美は死んでいなくて、中盤でのテレビの番組を伏線にして、急所を外して撃った弾で菜美は九死に一生を得て、どこかの国の海岸で過ごすカットでエンディング。

 

まあ、全体の仕上がりは香港映画レベルですが、それなりに見せ場をしっかり作っていて面白かった。なんといっても綾瀬はるかの演技力のアップが見所になった映画でした。