くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」「ドント・ブリーズ2」「街の灯」(森崎東監督版)

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党 集結」

サイケデリックにグロテスクなパワーあふれるスプラッターな芸術エンターテインメント。マーゴット・ロビーが際立つ楽しい映画でした。たしかに目を背ける殺戮シーン満載ですが、それがこのシリーズの色であり、花が舞ったりカラフルな円盤が散ったりは、まさに

芸術的な映像ですね。「宇宙人東京に現る」の岡本太郎デザインの人手宇宙人が暴れるクライマックスは最高でした。監督はジェームズ・ガン

 

南国の小国で軍事クーデターが起こり、そこで研究されていた異星人の人体実験を阻止すべく、極悪囚人をかき集めてのならず者集団が組織され派遣されるところから映画は始まる。で、最初の集団はあっさりやられて、別の海岸から乗り込んだのが今回の中心メンバーといういきなりのおふざけから映画は始まる。ただ、最初の集団にはハーレイ・クインが含まれていて、クーデター軍に拉致されてしまう。

 

別働隊がハーレイ・クインを助けにいくが、ハーレイ・クインはあっさり脱出して、人体実験の中心人物の博士を拉致して、研究施設の塔へ乗り込んでいく。そこで、爆薬を仕掛けるが、おりしもクーデター軍がやって来る。実は異星人を軍事目的に使用するという実験は、実はアメリカ政府が他国で行っていたもので、その真相が広がってはいけないために、ならずものチームに依頼したのだ。

 

研究施設に爆薬を仕掛けたが、爆薬が早めに爆発してしまい、犠牲者が出てしまう。さらに巨大な人手宇宙人が現れ、脇から出てくる小さな人手が人間の顔に張り付いて仲間にしていく。しかし、危機一髪のところで、ネズミ使いがネズミを呼び寄せて宇宙人を襲わせ、さらに目玉にハーレイ・クインが飛び込んで最後のトドメを刺す。こうして人手宇宙人も倒され、生き残ったならず者軍団=スーサイド・スクワッドメンバーが飛び立ってエンディング。

 

ハーレイ・クインが拉致されたところから脱出する際の殺戮シーンは血が花びらに変わって行ったり、水玉のウィルスを発射するメンバーがいたり、肉食のサメのメンバーやら、とにかくはちゃめちゃだが、一方で情け容赦なく敵を引き裂いたり爆破したりするスプラッターシーンと相待って独特の雰囲気を作り出していきます。マーゴット・ロビーの際立った存在感も光る楽しいエンタメ映画でした。

 

ドント・ブリーズ2」

前作もそうでしたが、結局、ただのアクション映画です。主人公の老人が盲目というのが売りのはずですが、それは別にどうというこだわりもないのは今回も同様で、展開が少々無理があるのも同様。まあ、退屈せずに楽しむB級サスペンスアクションでこれという独創的な映画でもなかった。若干長回しのカメラワークは見応えがあった。監督はロド・サヤゲス。

 

火事になっている家を俯瞰で捉え、一人の少女が道に倒れていて、彼女を主人公の盲目の老人が助けるところから映画は始まる。そして8年後、老人は少女をフェニックスと名付けて大事に育てていたが、箱入りで育てられる窮屈さにフェニックスは飽きていた。老人のところに出入りする観葉植物の業者の女性がフェニックスを街に連れ出すが、その際、フェニックスは、今は焼けてしまったかつての自分の家を訪ねる。しかしそこにフェニックスの実父がいた。彼はその家で夫婦で麻薬製造をしていて、収監され、最近出てきていた。

 

実父はフェニックスをつけていき、仲間と老人の家に侵入する。そして反撃に会い仲間を殺されながらも何とかフェニックスを拉致する。実父の妻は心臓が悪く、移植のために娘の心臓を狙っていた。と、ものすごい展開である。老人は一時は家も焼かれ、フェニックスも連れ去られどうしようもなくなるがたまたま実父らの仲間の犬を助けたことでその犬の帰巣本能を利用してフェニックスの拉致されている家に辿り着き実父たちに襲いかかる。そして、瀕死の状態で実父たちを倒すが、フェニックスの目の前で死んでしまう。フェニックスは、一人になって、同年代の子供たちに声をかけて映画は終わる。

 

老人が盲目であるというオリジナリティを生かす展開も演出もなく、普通のアクションである。ただ部屋の中を縫うように長回しするカメラはなかなか面白かった。

 

「街の灯」

呆れるほどにやっつけ仕事のような映画でした。映画産業が斜陽化していく姿をまざまざと見せつけられる思いの作品で、矛盾だらけの展開が続くのですが、なぜかラストに、いかにも嘲笑うかのような演出が施され、反骨精神剥き出しのエンディングはそれでも見事です。監督は森崎東

 

兄貴の手伝いでポン引きをしている千代松は、ある時、一人の老人と人気タレントのヒロミが一緒にいるところに出くわす。そしてなぜか赤ん坊を拾い、誰かわからない女の子を伴って九州へ行くことになる。老人はブラジルから50年前別れた恋人に会いに来た。そして九州で無事会うが、一方ヒロミと千代松の恋を成就させるべく、銀行強盗をしたりして一人ブラジルに戻っていく。

 

残された千代松は老人に託された大金を持って、ヒロミとブラジルに行く準備をする。ヒロミは記憶を失っていて花子と呼ばれていたが、ホテルのベッドで落ちた時に記憶を戻す。千代松は港でヒロミを待つが来ない。諦めて帰りかけると、ヒロミが交通事故で死んだというニュースを見る。

 

落胆した千代松は線路に飛び降りようとするが子供達に囃し立てられ、橋の上で踊ってしまって金の入ったカバンを落として映画は終わる。何のことやというほどに適当な映画です。