くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」

趣味の悪いサイケデリックな色彩映像と無駄に仰々しいセット、日本人を馬鹿にしたような遊び感、何でもかんでも言葉にして説明する安っぽい台詞、全く園子温監督の自己満足にしか見えない映画だった。シュールな中に観客に見せたいものが感じられれば良かったが、そこが全くなかった。園子温どうした?という感じです。

 

いきなり安っぽい銀行に押し入る主人公のヒーローとその相棒。意味不明な男の子が飴を差し出し、その少年を撃つのかどうかという場面でタイトルから一気に遊郭の派手な場面へ。裏社会を牛耳る風なガバナーという全然カリスマ性にない小物の悪党が登場し、どうやら女たちをはべらして勢力があるらしいが、全然そうは見えず。ところが彼は刑務所にいるヒーローを連れ出して、ガバナーから逃げ出したバーニスという女を散れ戻すように依頼。ヒーローの体中に、センサーで爆発する仕掛けとタイムリミットを設定するというSF的な色合いから、それほど強そうでもないヒーローは素直にそのミッションを受ける。

 

一方バーニスという女は、なにやら囚われの身で声を出せなくなるほど衰弱している。ヒーローはあっさりと彼女を救い出すが声が出ないので、センサーに話しかけられず、バーニスに悪さをする気もないのにしたようになって睾丸が爆発する。バーニスはゴーストランドという貧民街のようなところにやってきて、自分を助けてくれたのはヒーローだと宣言、ヒーローもその気になって、ガバナーの圧政に苦しむゴーストランドの人々とガバナーの本拠地の遊郭へ乗り込むのですが、なんともおざなりというか適当な流れ。

 

で、ガバナーは退治され、ゴーストランドの人たちも自由になり、ハッピーエンドの幕切れなのですが、アクションシーンも殺陣シーンも細かいカットで誤魔化してるし、悪役たちも全然悪役感がないし、それより、ガバナーが普通すぎて、全体のキャラクターがウダウダでした。一体園子温は何をしたかったのだろうという映画だった。