くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「四谷怪談 お岩の亡霊」「東海道お化け道中」「HHH:侯孝賢」

四谷怪談 お岩の亡霊」

正当な鶴屋南北原作の「四谷怪談」という感じで、丁寧な展開と筋が通った恐怖シーンの数々が面白い作品でした。監督は森一生

 

主人公民谷伊右衛門とお岩の祝言の場面から映画は始まる。ところが上司田沼意次の失脚から浪人に落ちた伊右衛門は、病弱なお岩を抱えて日々苛立つ日々。そんな頃大棚の商人に取り入って士官の道をつける画策を始めた伊右衛門は、その商家の娘との祝言も手に入れる段取りとなり、お岩のところに出入りしているあん摩の宅悦を抱きこんで、さらには商家の女中から手に入った毒薬を使い、お岩を亡き者にしようとする。

 

伊右衛門に裏切られたお岩は恨みを抱いて死んでしまい、亡霊となって伊右衛門に復讐を始める。伊右衛門が武士として敢然と立ち向かう様が実に生真面目な時代劇の色合いを生み出し、ただの化け物映画に止めない正当な勧善懲悪映画に仕上がっている。

 

絵作りなどはそれほど際立つもにはないものの、なかなか深みのある「四谷怪談」でした。

 

東海道お化け道中」

ほとんど任侠映画浪花節展開が中心で、取ってつけたように妖怪が出てくるというお気楽な作品です。娯楽映画はこれでいいという一本。監督は安田公義。

 

何やら鬼塚なる祠のそばでヤクザ者が待ち伏せしていて、塚の前で殺生はしてはいけないという老人が出てくるがヤクザ者に斬られる。その老人には孫がいてその孫に、父親のもとへ一人旅で行けと老人は息を引き取る。ところがその少女はヤクザ者が探している書付を拾ったことからヤクザ者に追われることになり、たまたま出会った渡世人百太郎に助けられての少女の道中が展開。

 

その中に、鬼塚の妖怪たちが立ち塞がるがそれも適当な感じで、少女が見つけた父親は、百太郎に斬りつけた渡世人でという浪花節クライマックス。妖怪が助太刀して映画は大団円を迎えて終わる。全く楽しくてお気楽な一本でした。

 

「HHH:侯孝賢

侯孝賢がひたすら自分の映画のことや考え、台湾について延々と喋るドキュメンタリー。とにかくよく喋る映画だった。監督はオリヴィエ・アサイヤス

 

オリビエ・アサイヤスが侯孝賢と一緒に台湾を周り、侯孝賢の映画への考えや台湾のあり方を語る姿をひたすら撮っていきます。ただただ喋るだけの映画ですが、それはそれで面白い一本でした。