「グロリア 永遠の青春」
オリジナル版と同じ監督でリメイクされた作品です。ジュリアン・ムーアが是非にと言っただけあって、頑張ってはいますが物語は普通だし映画も普通だった。監督はスティアン・レリオ。
離婚して一人暮らしのグロリア、子供たちも離れ、最近孤独を感じることがある。そんな彼女の姿から映画は幕を開ける。クラブで知り合った一人の男性アーノルドとみるみる恋人同士になるが、アーノルドは、何かにつけて前妻や娘からの連絡が途絶えず、しかもグロリアのことを話そうとしないのが不審だった。それでも、関係を続けるグロリアだが、ことあるごとに身勝手に姿を消すアーノルドにどんどん不信感が募る。
もう会わないと決めたグロリアだが、結局、アーノルドからの電話に答えてしまいラスベガスへの旅に出るが、そこでも、アーノルドは突然姿を消す。とうとう切れたグロリアは、ベガスでしこたま遊んだ末、アーノルドから預かったペンキ銃を持ってアーノルドの家に行き、家やアーノルドにペンキを打ち込んでその場を去る。
オリジナル版の方が良かった印象ですが、ジュリアン・ムーアの演技力で映画を引っ張った感じの1本でした。
「渚の果てにこの愛を」
物語は破綻している感じの作品ですが、ミムジー・ファーマー懐古上映の1本として見る。まとまっているようでまとまっていない展開と、サスペンスなのにあっさりバレていく流れは実に普通。レアな一本としての見る値打ちのある映画という感じです。監督はジョルジュ・ロートネル。
激しい雨の中、一人の男性が飛び出してくる。背後から「ロッキー」と叫ぶ声。青年は車で走り出すがすぐに止まってしまい、這うように警察署に着く。そして署長の部屋に行き、署長と車に乗りさっきの家に向かう。そしてこれまでの経緯を青年が懐古して物語は始まる。彼の名はジョナスと言った。
ジョナスはこの街にやって来たものの、ヒッチハイクと徒歩に疲れ一軒の家に辿り着く。ところが中から出て来たマラという婦人は彼をロッキーと言って家に招き入れる。息子と勘違いされたと思ったジョナスだが、疲れを癒すためにロッキーのふりをする。そこへ、マラの友人らしいワレンが現れるが、彼もジョナスをロッキーだと言う。その上、ロッキーの妹ビリーまで帰ってくるが彼女も兄だと言う。どこまでが芝居かわからないままに、ずるずると過ごし始めるジョナス。やがてビリーとは体を合わせることになる。
ロッキーというのは、かつて、ワレンの娘リンダと街を出る約束をしていたのだと言う。ジョナスがリンダにことの次第を聞くが、約束の場所にロッキーは来なかったのだと言う。ビリーもワレンもジョナスがロッキーではないと分かっていたがマラのために話を合わせていたのだ。
ジョナスはビリーに突き止めた事実を話すが、次第にビリーはジョナスから離れ始める。そしてビリーは、ロッキーを愛していて、リンダと街を出る日にロッキーを責め、思わず殺してしまい、石油タンクに死体を隠したのだと告白する。それでもビリーを愛してしまったジョナスはビリーに迫るが、ビリーは、愛していたのはロッキーでジョナスではないと断言、思わず力が入ったジョナスはビリーを殺してしまう。それをマラに見られ、ジョナスは警察署へ行くと家を飛び出す。背後から、マラはジョナスの名を呼ぶ。こうして冒頭の場面となり映画は終わっていく。
どこかアンバランスで、もっと面白くなりそうなのだが、うまくいっていない感じの作品でした。
「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」
CG頼みのなんの工夫もないエンタメ映画ではあるけれど、それほど長い作品ではないのに前半は少々退屈。大声を出すフランシスのキャラクターを面白く活かせば良かったのにと思うが、この手の映画は今更この程度のレベルです。監督はアンディ・サーキス。
1996年、クレタスとフランシスの過去の物語が語られ現代へ。死刑が決まったクレタスは、最後にエディを呼ぶ。ヴェノムと共生するエディは、何かにつけお互い喧嘩が絶えない。元カノのアンの結婚が決まり、さらに苛立ちを募らせていた。クレタスに会いにいったエディはそこで思わずキレたヴェノムの行動で、クレタスに手を噛まれてしまう。
シンビオートの血を体に入れたクレタスは、死刑執行の場で覚醒してカーネイジとなる。そして、隔離されて別れ別れになった恋人フランシスを救出に行き、自分達をおとしめた警官とエディを葬るために大暴れする。クライマックスはヴェノムとカーネイジのCGアニメバトル。なんの面白みもない画面ですが、なるようになって大団円。フランシスも死に、カーネイジはヴェノムに食われて終わる。エディとヴェノムは彼方の孤島でのんびり過ごしてエンディング。
まあ凡作ですね。
