くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「MEMORIA メモリア」

MEMORIAメモリア」

ブンミおじさんの森」もそうだったが、結局なんのことかはっきり理解できない映画だった。どこを評価してカンヌ映画祭審査員賞とか、巨匠の作品という振り分けになるのかわからない。不思議な空気感とテンポで見せる、記憶の奥底に残る音のメモリーの映画という感じです。監督はアピチャッポン・ウィーラセタクン

 

主人公のジェシカの寝室、突然何かがどしんと落ちたような衝撃音が聞こえて彼女が目を覚ます。そして、外の駐車場では車の盗難防止の警報が鳴り響く。ジェシカは友人の紹介で音響技師のエルナンを紹介され、彼は、ジェシカが体験した音を見事に再生してくれるが、後日彼を訪ねていくがそんな青年はいないと言われる。ジェシカは何かにつけ、突然、衝撃音を耳にするようになり、診察を受けるが明確な診断は出ない。さらに、ジェシカはトンネル工事の中で発見された人骨などの発掘現場にアグネスという女性研究者に連れて行ってもらう。

 

アグネスに会うために訪れた村で、繰り返し聞こえる衝撃音に耳を澄ましていて、エルナンという魚の鱗を取っている男に出会う。そして川のほとりの家で思い出話を話すが、ベッドの下に隠れて聞こえたドアを開ける音や、ジェシカを探す音、落雷の音、雨の音などが記憶の底から溢れ出し始める。ジェシカの記憶の中だろうか、じっと森のカットが描かれ、突然宇宙船が飛び立ち、衝撃音と共に彼方に飛び去っていく。ジェシカは、これまで記憶の底に埋もれていた音のメモリーを思い起こす。カメラは、どんより曇った空をじっと見つめる。こうして映画は終わる。

 

ということで、結局、監督の感性を映像に昇華した作品というイメージの一本で、何をどう感想するのか思いつかない作品でした。