くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「好人好日」

「好人好日」

たわいのないホームドラマなのですが、これだけの芸達者が軽快なテンポでセリフを応酬していくととにかく楽しい。シーンやエピソードの組み立てもコミカルで心地よく、終始笑いが絶えない場内はまさに映画全盛期の日本に放り込まれたかのようなノスタルジーを感じてしまいます。面白かったです。監督は渋谷実

 

数学の大学教授等と妻節子の娘登紀子が、奈良の大仏の前で、恋する佐竹竜二と結婚することを報告している場面から映画は幕を開ける。布団に入る時も背広を脱がず、大のコーヒー好きで数学のことしか頭にない偏屈な等、そして貧乏生活をじっと支えている妻節子の所に、竜二の母美津子から、登紀子との見合いの話を詰めにやってくる、

 

すでに登紀子と竜二は恋仲なので、あとは形式的にまとめればいいのだが、竜二の家は由緒ある奈良の墨屋で、祖母のお徳が何かとうるさい。そんな祖母をうまく言いくるめながら分家の主人たちとの関係を四苦八苦して取りまとめていく美津子。竜二は等に気に入られようと羊羹を持っていったりテレビを持っていったりするが、変わり者の等を頑固ジジイなどと言ったりしてしまう。

 

等は海外の大学からの招聘も断るほどの変わり者だった。竜二の祖母は一見昔気質だが、実は竜二の事をちゃんとわかっている今どきのおばあちゃんだった。そんなある日、等が文化勲章を授与されることになり、節子と東京へ向かう。そして学生時代に過ごした下宿に泊まるが、そこで泥棒に勲章を盗まれてしまう。そんな事も気にかけない等が奈良に戻ってくるとマスコミが押しかけていた。さらに祝賀会が次々と計画され、等は逃げ出してしまう。

 

そんな等だが、登紀子の事は気にかけていた。実は登紀子は等と節子の実の娘ではなかった。それを気にする登紀子に、等は、登紀子は実は戦災孤児だった事を明かす。まもなくして、この日、登紀子の花嫁衣装を見繕っていた。そして結婚の日取りもまとまってきた頃、一人の男が等の家に訪ねてくる。なんと、勲章を盗んだ泥棒だった。勲章を返し、これを機会に泥棒をやめるという手紙を等に渡す。そんな泥棒に等は、汽車賃と礼金を渡すのだった。式を楽しみに待つ登紀子と竜二が若草山に登って映画は幕を閉じる。

 

唐突なエンディングだが、淡々とコミカルなセリフが繰り返される展開が本当にテンポが良く、大量生産している風が見えなくもない荒っぽさもあるものの、娯楽映画として仕上がっている。これが映画全盛期の力量だなあと思うと嬉しくなってしまいました。