くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「からかい上手の高木さん」「告白 コンフェッション」

からかい上手の高木さん

とっても気持ちのいいキュンキュンのラブストーリーでした。こう言うのを描かせると今泉力哉監督は本当に上手いですね。中学生の二人のラブストーリーと主人公の二人のラブストーリーの二重構造に、あちこちに散りばめられる切ない青春の一ページが実に上手い。クライマックスの延々とした長回しでどうなることかと思わせるさりげないサスペンスも絶品。そして迎える心地よい読後感のようなラストシーンがとにかく素敵でした。

 

とある島の中学校で体育教師をしている西片がベッドでアニメを見ているシーンから映画は幕を開ける。そこへ突然、十年前にフランスに転居した同級生の高木さんから電話が入る。彼女は中学時代西片の隣の席で、しょっちゅう西片は高木さんにからかわれていた。そんな彼女は、自分の行きたかったところに行くのだと言う電話だった。その期間は三週間だという。

 

翌日、いつものように学校へ行った西片は、教育実習生の担当をしてほしいと言われる。西片が放課後の教室で片付け忘れた箒を片付けようとロッカーを開けると突然中から高木さんが現れる。なんと実習生というのは彼女だった。そして、懐かしい同窓会に出て花が咲いた後、西片のクラスの実習に来た高木さんとの日々が始まる。

 

例によって、何かにつけて高木さんは西片をからかう。そんな西片のクラスに、不登校の町田という生徒がいた。一人で絵を描いている方が人と関わらなくていいという町田が、桟橋で絵を描いていると高木さんが近づいて話しかける。そして高木さんは町田を、かつての思い出の丘に連れ回したりする。そんな頃、クラスの大関という女生徒が西片に相談を持ちかける。町田に告白したのだが、町田が何も言わずに逃げてしまい、そのまま学校にこなくなったので、自分のせいではないかと悩んでいるというものだった。一方高木さんは町田から、大関に告白された事を聞き、ちゃんとふるならふったほうがいいのではないかなどと話す。高木さんは町田を誘ってラムネを買いに行き、西片と合流する。

 

翌日、大関らが合唱の練習をしている教室に町田が現れ、一緒に練習をすることになる。指揮をしているのは大関だった。練習の後大関と町田が二人きりで話し、お互いの気持ちをはっきりさせる。西片は高木さんを花火に誘うが、気持ちは伝えられなかった。高木さんは町田に、自分の中学時代も自分の気持ちを伝えたものの全然気づいてもらえなかったなどと話す。

 

やがて、三週間の教育実習が終わる。この地を去る最後の日、西片は高木さんを音楽室に連れて行く。そこで大関らが練習した歌を披露する。それは高木さんへの感謝を込めた懐かしい校歌だった。その後教室で、高木さんと西片は延々と話す。お互いに好きなのにはっきりしないままの会話が続くが、なかなかお互いに気持ちを言い出せないが、西片は意を決して高木さんに告白、それに対して高木さんも付き合おうというが、西片はずっと一緒にいたいから結婚しようとプロポーズする。そして二人の結婚式の場面、エンドクレジットの後、二人が島の丘で二人の間に生まれたらしい娘と景色を眺めている場面で映画は終わる。

 

とにかく気持ちが良い。余計な紆余曲折は一切排除して透明感に包まれたラブストーリーとして仕上げた手腕は見事です。見ていて心地よい映画というのは本当にいいですね。素敵な映画だった。

 

「告白 コンフェッション

舞台劇のようなワンシチュエーションホラーという感じの映画で、ありきたりなホラー演出だけが目立つ小品。もう少し背景の人間ドラマもしっかり描けていたらそこそこの映画になったかもしれませんが、脚本が弱いのか全体の構成やテンポも平凡な映画だった。監督は山下敦弘

 

登山部の部室内、大学最後の登山で一人の女性さゆりが亡くなった事が説明されて、毎年、親友の浅井とジヨンが供養登山に出かけているという解説から映画は幕を開ける。ところが、16年目のこの年、ジヨンが途中で足を負傷し、二人は遭難してしまう。ジヨンは自分を置いて下山しろと浅井に懇願、さらに、自分は十六年前にさゆりを締め殺したと告白する。

 

ところが、浅井が付近を捜索すると、すぐそばに山小屋がある事に気がつき二人はその小屋に避難、二人は助かる。しかし、ジヨンが殺人を告白した事で、浅井は自分がジヨンに犯罪隠蔽のために殺されるのではないかと疑心暗鬼に囚われ始める。さらに、足の感覚がなくなってきたジヨンは精神的に追い詰められ、次第に狂気に変わって行く。

 

ジヨンは携帯を無くしたと言ったが、その矢先電話をしているのを浅井が見かける。さらに、ナイフも所持しているのを見るに及んで、浅井はジヨンに襲われる恐怖に取り憑かれて行く。しかも浅井は高山病で目が見えなくなり、吐き気も催してきた。

 

狂気に変わるジヨンは浅井に襲いかかり、二人は死闘を繰り返し始める。そして、その末、浅井はジヨンに首を絞められ殺される寸前になる。そこで浅井は記憶を蘇らせる。ジヨンがさゆりを締め殺して去った後、浅井がそこに行くとさゆりが息を吹き返した。そこで浅井は再度さゆりを締め殺してトドメを刺したのだ。さゆりと浅井は交際していたが、さゆりが妊娠した事がわかり浅井は苦悩していた。間も無くして救助隊が到着するが救助隊員を殺したジヨンは浅井にさらに襲いかかってきた。

 

浅井はジヨンに首を絞められ、ついに気を失って死んだかと思われたが、ふと目覚めるとこれまでの死闘は夢だったらしいとわかる。ジヨンは何事もないように浅井の所へ来る。そして自分は自首するというが、浅井が言った一言から、ジヨンは浅井に疑念を抱き始める。そして、ジヨンは浅井に襲いかかってくる。しばらくして、本当の救助隊が駆けつけるが、二階で浅井がジヨンを滅多刺しにしている現場を発見する。こうして映画は終わる。

 

人間ドラマ部分の描写にほとんど力を注がなかったためか、非常に薄っぺらいホラー映画になった感じです。うまく辻褄が合わないところもあり、原作があるのに、とりあえず作った感満載の映画だった。