くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「フェラーリ」「現金と美女と三悪人」(熱泥池 改題縮尺版)

フェラーリ

なかなかいい映画でした。クライマックスのミッレミリアのレースシーンは圧巻だし、その後のペネロペ・クルス演じるラウラの存在感に胸が熱くなってしまいました。ただ、この場面に行くまでのドラマ部分の弱さ、時代背景の空気感、主人公フェラーリのカリスマ性の描写が若干弱いので、映画全体に力強さが見えないのはちょっと残念。決して凡作ではなく、並レベル以上の作品なのですが、贅沢を言えば後一歩迫力が欲しかった。監督はマイケル・マン

 

1947年、フェラーリ社が創業され、そして時は1957年、創業者エンツォ・フェラーリは愛人リナのベッドで目覚めるところから映画は幕を開ける。そっとベッドを出て静かに車を出してそのまま妻ラウラの待つ自宅へ戻っていく。朝食までに戻ると約束していながら遅れたフェラーリを罵倒し、銃さえ向けるラウラ。ラウラはフェラーリ社の共同経営者でもあり資金面を牛耳っていた。

 

フェラーリ社は経営が逼迫していて、今の販売台数では破産が目に見えているとエンツォは宣告される。そして、今の販売台数の約四倍を売り上げるために、来るミッレミリアのレースで優勝することが必須とされる。専属ドライバーの一人が事故で亡くなり、後に期待の若手デ・ポリターゴが加わることになる。

 

エンツォは、工場や株式の名義がラウラになっていることから、資金交渉のために、エンツォに変更するように言われる。その交渉をラウラに提案するが、ラウラは50万ドルの小切手と引き換えに同意すると答える。しかし、ラウラが銀行で署名のない小切手を受け取った際、不遜な邸宅の不動産の名を耳にする。その場所に行くと、そこはエンツォの愛人リナの家だった。しかも、息子もいた。実はエンツォとラウラの間にも息子ディーノがいたが難病のため亡くなっていて、エンツォは毎朝、ディーノの墓に参ってから出社していた。

 

ミッレミリアのレースが近づき、ラウラはエンツォに小切手のサインと引き換えに工場など譲渡の契約書を渡す。そしてレースは始まるが、終盤、デ・ポリターゴの車が大事故を起こし、見学していた九人の人を巻き込んでしまう。一方、取引契約が済むまで現金化しない約束の小切手をラウラは現金にしていたため、フェラーリ社は破産手続きに入ってしまう。それをエンツォはラウラに責めるが、ラウラは事故の記事を封印するには現金がいるだろうから使えばいいとエンツォに手渡す。さらに自分が生きている間はリナとの息子ピエロを認知しないようにと願望を言う。エンツォはピエロをディーノの墓地に誘い、二人で墓石に向かうシーンで映画は終わる。テロップで、ラウラは1978年亡くなったこと、ピエロは現在、フェラーリ社の副会長であるテロップが流れる。

 

しっかり作られたクオリティの高い作品ながら、今一つこちらに迫ってくる迫力に欠けるのは前半がひたすら地味で暗いせいかもしれない。しかし、その反面終盤が一気に躍動感ある展開に変わるという構成は上手いと思います。一流の役者を配した作劇の重みも十分伝わるし、見応えのある一本でした。

 

「現金と美女と三悪人」

オリジナル版をぶつ切りした感じの作品で、シーン同士のつながりは唐突なままに、なんとか物語はわかるというまさに珍品映画でした。監督は市川崑

 

北海道へ向かう船の中、同行する栗田のいびきで眠れずキレるカツミの場面から映画は幕を開ける。そして喧嘩になり、カツミが怪我をして、船内で医者だと言う千葉の助けを求める栗田。船内ではカツミと船員のラブロマンスもあるが、突然場面が変わると栗田とカツミは北海道の山小屋にいる。

 

どうやら栗田は会社の金を横領し、その金を隠しているらしい。カツミは契約で一緒にきたらしいが、どういう経緯か全くわからない。そこへ、いかにも悪そうな千葉が栗田の素性を知ってやってくる。そして金を要求するが、栗田は隠し場所を教えず三人はしばらく行動を共にする。

 

カツミは山を降りたくなるが栗田が解放してくれないので途方に暮れ、サイロに寝ていたアイヌの男の助けを求めて山を降りかけるが、男は突然逃げ出し、カツミはまた小屋に戻る。立ち寄った山男達に頼むが彼らはこれから山奥に向かうのでダメだと言う。そこへ、カツミの恋人が栗田に助けられてやってくる。栗田は千葉と争って千葉を銃で撃つ。小屋に戻った栗田は、カツミと恋人に逃げるように言う。そこへ、一人の男を連れて千葉が襲い掛かり銃撃戦となる。

 

カツミと恋人は裏口から逃げる。千葉は栗田と格闘し栗田を倒し、馬でカツミらを追う。火口に追い詰められたカツミたちだが追ってきた千葉は馬から火口に落ちて金もろとも消えてしまい映画は終わる。

 

なんとも言えない一本だった。