くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ツイスターズ」「インサイド・ヘッド2」

「ツイスターズ」

ヤン・デ・ポン監督の「ツイスター」からドラマ部分を排除して、単純な娯楽映画としてのディザスターアクション映画という感じで、典型的なアメリカ映画の展開と演出スタイルでラストまで突っ走るエンタメ映画でした。単純に面白かった。それだけの一本です。監督はリー・アイザック・チョン。

 

学生時代のケイトは竜巻を飼い慣らそうと、竜巻の中に薬剤を吹き上げて消してしまう研究をしていた。この日もハビら仲間と竜巻に向けて車を走らせていたが、思いの外規模が大きく、危険を感じたケイトらは避難しようとするが間に合わず、ケイト以外の仲間は竜巻に飲まれてしまう。そして5年が経つ。

 

ケイトは気象会社に勤めながらパソコン画面を見る日々を送っていたが、ある日会社にハビが現れる。竜巻の研究を続けていたハビは、豊富な資金で最新の設備を備えて竜巻を追っていた。一週間だけの期限でケイトを誘ったハビは、早速竜巻に3D映像解析の装置を積んで発生した竜巻を追う。同じく、竜巻を追ってYoutubeにアップしているタイラーらは、経験のみで竜巻を置い、その実態をエンタメ風に配信していた。しかし、ケイトの竜巻への感に何かを感じたタイラーはケイトに何かにつけ近づいてくる。

 

過去のトラウマに悩みながらも実家に立ち寄ったケイトは、自宅の納屋で学生時代に研究していた装置を再度開いてみる。ケイトの過去を調べて実家に立ち寄ったタイラーは、そのセットを見て、その計画をさらに拡大して実行してみようと企画する。そして、学生時代以上の薬品を準備して竜巻に臨むが、その巨大竜巻は近くの街に迫っていく。まずは住民を救出するべく、街へやってきたケイトたちだが、巨大竜巻に危機に瀕する。

 

ケイトは一人トラックを運転して薬品を積んで竜巻の下に向かう。そして装置を発進し、見事竜巻を消すことに成功する。ニューヨークに戻るケイトに、空港にタイラーが後を追って二人はハッピーエンドになって映画は終わる。

 

ハビが提携している不動産投資会社の男との話や、タイラーについているジャーナリストの描写が途中からおざなりになっていく雑な脚本がちょっと甘いと言えばそれまでだが、スペクタクルシーンだけ楽しめばそれなりのエンタメ映画という感じの一本だった。

 

インサイド・ヘッド2」

主人公ライリーの心の動きを内側から描いた前作の続き、今回は思春期を迎えた少女の不安定な状態をシンプルで美しいアニメーションで描いていく。わかりやすい展開がとっても楽しい仕上がりになっていますが、ライリー、ヨロコビ、シンパイだけがお話の中心になって、それ以外の脇がやや置いてけぼりになって活躍しないのがちょっと物足りなく、アニメは綺麗なのですが、やや不完全燃焼なところもあった感じです。監督はケルシー・マン。

 

高校進学を控えたライリーは、アイスホッケーの試合で活躍する姿から映画は幕を開ける。ライリーの心の中では、ライリーが後ろ向きになった辛い出来事は何事も前向きなヨロコビが全部彼方に飛ばしてしまって、いつも前向きな明るいライリーを作っていた。そんな時、突然警報が鳴る。原因は思春期の到来を告げるものだった。

 

思春期の到来は、シンパイ、イイナー、ダリイ、ハズカシなど新しい感情を生み出してくる。現実もライリーは、アイスホッケーキャンプに三日間行けることになったものの、これまでの友達が別々の高校へ進学することを知りショックを受ける。一方、キャンプで出会った憧れの先輩との触れ合いに盛り上がるばかりだった。

 

やがて、アイスホッケチームの選抜を決める試合が迫り、シンパイらはヨロコビらのグループを追い出して、ライリーに未来への不安を呼び起こすことを始める。ヨロコビたちはライリーに本来の自分を取り戻してもらおうと奔走する。試合が始まるが、先の不安ばかりで焦るライリーは友人さえ蔑ろにして自分にプレッシャーをかけがむしゃらに試合を続けていく。そんな姿を見ていられないヨロコビたちはシンパイらを阻止しようと必死になる。

 

ライリーは、自分を追い込んだことでペナルティで二分間の退場を言い渡される。ライリーは焦るあまり動悸が昂っていく。シンパイはライリーを前に進ませようと焦るあまり、機械に翻弄されていた。そこへ舞い戻ったヨロコビらが、自分らしさをライリーに届けるが、ヨロコビはそれも違うことを知る。大人へ成長するライリーにとっては、嫌なことも全て受け入れることこそ大人になることだと知ったヨロコビは自分らしさを外す。すると、新しい感情がライリーに育ってくる。それは、さまざまな感情を受け入れていくものだった。

 

ライリーは二分間の休息の後、自分を取り戻し、そして大人に一歩進んで、友達と一緒に試合を再開する。やがて、ホッケチーム選抜の結果が届き、目を輝かせるライリーのアップで映画は終わる。

 

アニメーションなので観念的な表現やものが物語を牽引していくので、実際に見ないとお話をうまく語れないけれど、シンプルに構成された作劇の面白さ、絵の美しさは今回も十分楽しむことができました。