くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「地平線がぎらぎらっ」「大虐殺」「怒号する巨弾」

「地平線がぎらぎらっ」

本当にたわいのない娯楽映画で、面白おかしく展開するだけの素朴そのものの作品だった。監督は土居通芳

 

次々と何やら犯罪に手を染めている男たちが捕まる場面から映画は幕を開ける。彼らは同じ刑務所の同じ部屋で刑に服している。カポネ、教授、バーテン、、色キチ、そこへ海坊主が入ってくる。昔ながらのしきたりでまとまっているが、新入りでマイトという若者が入ってくる。昔ながらのしきたりなどお構いなしに傍若無人に振る舞うマイトにカポネらは苛立つばかり。ところが、実はマイトは金融業者を殺し大量のダイヤモンドを盗んで隠していると噂を耳にする。

 

シャバの女にその真偽を確認したカポネらは、脱走する事を計画、教授の手筈で、六人はどさくさに紛れて刑務所を脱獄逃走する。そして、グロンサンの宣伝バスを盗んで、マイトがダイヤを隠しているという西へ向かって逃げていく。途中、子供達に囲まれたり、色キチが女にうつつを抜かしたり、出会った村の女を人質にしたりしてさらに逃げる、最後はバーテンが一目女房に会いたいというので故郷の村に立ち寄る。

 

村では村祭りの最中で、バーテンは実家へ行って、女房が別の男といるのに逆上して暴れ、村では大騒ぎになる。マイトたちは形成不利と逃げようとするが、マイトはマムシに噛まれてしまう。カポネと教授は、瀕死のマイトにダイヤモンドの埋めた場所を聞き出そうとし、柿の木だと譫言を言ったためにカポネらは柿の木を掘り始める。ところがカポネがダイヤモンドを独り占めしようと教授を猟銃で撃ち、カポネはマイトに詰め寄るが、全て嘘だと言われ、直後、警官に撃たれる。マイトも息を引き取る。こうして映画は終わる。

 

とにかく何の変哲もないエンタメ映画で、ちょっと時間潰しに立ち寄った映画館でちょっと楽しむという感じの一本。これが新東宝です。

 

「大虐殺」

もっと軽い映画かと思っていたら、意外に重厚な社会派ドラマだった。大正末期から昭和初期の甘粕事件などを題材に、史実の裏側の人間ドラマを描いたなかなかの力作でした。冒頭の関東大震災場面の特撮も迫力満点のスペクタクルでその後の社会主義者らと権力者たちの抗争も相当に硬派なストーリーだった。監督は小森白。

 

大正十二年九月一日昼前、社会主義運動に傾倒している主人公古川が東京の街を歩いている。後ろから刑事らしい男たちがつけている。古川は食堂へ入るが、直後、大震災が起こる。騒動の中で、朝鮮人が放火をしているという風評が広まり、憲兵らは無差別に朝鮮人社会主義者を幼い子供まで含めて逮捕して惨殺する事件が起こる。その中に古川もいたが、川に逃げて一命を取り留める。

 

古川は大杉栄の自宅に逃げ帰るが、憲兵隊の甘粕は大杉栄らをも逮捕して拷問の末殺戮してしまう。大杉栄の葬儀の場では右翼による遺骨強奪事件まで起こり、甘粕らは懲役十年程度の罪で済んだことから、古川らは憲兵隊へのテロ行為を計画する。その資金づくりのため大阪に行った古川らだが、銀行員から金を奪おうとして誤って殺してしまう。

 

古川は罪の意識を持ったまま東京へ戻り、朝鮮統一運動の女から缶詰爆弾を手に入れ、さらにピストルも手に入れる。しかし憲兵隊大将暗殺の作戦は次々と失敗し、その度に同士は減っていく。古川の先輩で新聞記者でもある高松は、妹京子が古川に恋心を抱いていることもあり古川に自首を勧めるが、古川は陸軍省テロ作戦を実行に移す。

 

憲兵大将らが集う会議室を爆破しようと計画し、忍び込んで機会を待つが、京子は古川を助けるために憲兵隊に古川の居場所を教えてしまう。そしてそのアジトに踏み込んだ憲兵隊は陸軍省の地図の切れ端を見つけ古川らの計画を知る。陸軍省会議室に憲兵隊が踏み込むも、古川らは見つからなかったが、会議が延期になったと告げた憲兵の一人が古川らが仕掛けた爆弾の線を踏んだことから、全て発覚し、古川らは抵抗するも逮捕されてしまう。護送される古川らは、自分らが死んでも後に続くものがきっと現れるからと叫んで映画は終わる。

 

終始、社会問題を真正面に描いていく作品で、少々登場人物の描写や展開に無理があるところもあるもののいたって真面目な一本だった。

 

「怒号する巨弾」

キレのいい脚本と演出で結構面白いサスペンス映画でした。少々リアリティに欠ける展開やツッコミどころはあるものの、細かいところまで娯楽に徹した作りがとにかく退屈なく楽しめる一本だった。監督は石川義寛

 

国会議事堂前、派手な靴の男の姿から映画は幕を開ける。国会議事堂から一台の車が出てくる。乗っているのは内田議員で、その後を黒眼鏡の男が乗った車が後を追う。内田議員は松山重工場社長と会い、五千万の金を受け取り何やら頼み事をされる。その帰り、内田議員は拉致され、運転手らは殺される。警視総監志賀の依頼で議員誘拐事件に宇野警部が担当となる。志賀の娘洋子には宮本という恋人がいた。

 

まもなくして内田議員の身代金要求が松山の元に届く。一億を要求され、待ち合わせの場所に行った松山だが、取引相手は現れなかった。宇野らも離れたところで張り込みしていたが、帰宅する松山の車を途中で見失ってしまう。ところが松山の運転手も犯人の仲間で、松山も拉致し金を奪う。

 

大山という支配人が経営するミュージックホールの地下に松山も内田も拉致されていた。そこに一人の男がやってくる。派手な靴を履いたその男は天田と言い、終戦間近の頃、天田の父親が松山らにスパイ容疑をかけられ、工場を乗っ取られた挙句、父は獄中で死んだのだという。そしてその時関わった人物、松山、内田、美術商の井上そして今は警視総監の志賀に復讐をしているのだと言い、松山と内田を射殺してしまう。

 

宇野警部は射撃の名手で、クレー射撃場で宮本という男と知り合い、いつも腕を競い合っていた。宇野はミュージックホールの前で宮本と会い、宮本が怪しいと感じる。そして宮本に過去を調べ、宮本が天田だと突き止める。井上がパリから戻る際、空港で宮本の仲間二人が井上を射殺するが、宇野らが追い詰めたものの、宇野の部下が一人を射殺、もう一人は何者か射撃の名手らしい男に撃ち殺される。

 

大山は宇野の部下の中島刑事を買収して警察の動きの情報を得ていたが、宇野が中島に詰め寄り改心させ、大山を天田=宮本のアジトに向かわせるように罠を張る。その頃、宮本は最後の時が来たと判断し、洋子を誘って軽井沢の別荘に向かう。大山も天田の別荘へ向かっていたが、警察がつけてきたことを見抜き、途中で運転手を殺し、徒歩で天田の元へ行く。

 

別荘では宮本が洋子に、自分は天田という名で、洋子の父にも恨みがあることを告白、一緒に海外へ行こうと誘う。そこへ大山がやってくるが、金を独り占めするべく天田に銃を向ける。揉み合う中、天田が大山に銃を向けられるが二階から洋子が大山を銃で撃ち殺してしまう。天田は自分が殺したことにすると言うが、そこへ宇野から電話が入る。天田は宇野と最後の一騎討ちをしようと提案、洋子と共に夜明けに約束の場所に向かう。

 

車に乗り、天田と宇野が対峙し、決闘よろしく車ですれ違いざまお互いを撃つ。二度目、天田は宇野に手を撃たれる、直後、天田は自分の銃で自殺する。宇野と洋子が駆けつけ映画は終わっていく。

 

シンプルで分かりやすい展開だが、細かいところに見どころが詰め込まれ、最後まで飽きさせない作りがとっても面白い映画だった。