「青春」
215分のドキュメンタリーを最後まで見たと言う達成感のみの映画。中国経済を支える長江デルタ地域の縫製工場をひたすら捉えていく作品で、二十歳そこそこの若者達の目まぐるしく働く姿を延々と見せられました。正直この時間が必要なのかと言う一本でした。監督はワン・ビン。
長江の大河の下流一帯に広がる長江デルタ地域、織里という街の衣料品工場で働く二十歳そこそこの若者達が目まぐるしい勢いで品物を縫製していく姿を捉えて映画は幕を開ける。少ない賃金で馬車馬の如く働き、住み込みの小さな部屋で雑魚寝して暮らす。彼らは時に冗談を言いながら生き生きとしているのかがむしゃらなだけなのかその日その日を精一杯生きる姿を延々と見せていく。
賃金が少ないからと社長と呼ばれる男達に談判するものの、それぞれの言い分に引き下がる場面も多々描かれ、中国製品の安価な理由を垣間見せられる。しかも、決してクオリティの高い品物を作っている風ではなく、とにかく早く大量にを目指しているのがまざまざと見せられる。それがこの地域の生み出すバイタリティなのかもしれない。仲間同士でふざけ合いながら、実家に一時帰宅してその映像を映して映画は幕を閉じる。
とにかく長いし、カメラワークに工夫があるわけでもなく、捉える人物は限られているが、沢山を次々と映すので結局誰がどうと言うものでもない。ひたすら手持ちカメラで追っていくと言うだけの映像と、寸切りのようなエンディングで、なんとも言えない一本だった。